基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

ル=グウィンによるギフトのギフト──〈西のはての年代記〉

ギフト 西のはての年代記? (河出文庫)作者: アーシュラ・K・ル=グウィン,谷垣暁美出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2011/02/04メディア: 文庫 クリック: 13回この商品を含むブログ (15件) を見る普段このブログでは比較的新しい本について書いているの…

『ストーナー』の著者による、恐ろしいほどに美しい物語──『ブッチャーズ・クロッシング』

ブッチャーズ・クロッシング作者: ジョン・ウィリアムズ,布施由紀子出版社/メーカー: 作品社発売日: 2018/02/26メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る『ストーナー』が”再発見”されたジョン・ウィリアムズの第二作目がこの『ブッチャーズ・クロ…

意識から意識へ飛び移り数百年を生きる”ゴースト”たち──『接触』

SF

接触 (角川文庫)作者: クレア・ノース,雨海弘美出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2018/05/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る『ハリー・オーガスト、15回目の人生』で”ループ物”の新境地を切り開いてみせたクレア・ノースによる第二作目の…

九歳でロケット、十四歳で核融合炉を作った「天才」──『太陽を創った少年』

この世には「ギフテッド」と呼ばれる神から与えられたとしか思えない才能を持つ凄い人間たちがいる。そのうちの一人がアメリカ、アーカンソー州生まれのテイラー・ウィルソン少年だ。彼は9歳で高度なロケットを”理解した上で“作り上げ、14歳にして5億度のプ…

サイエンス・フィクションとしておもしろい──『全脳エミュレーションの時代:人工超知能EMが支配する世界の全貌』

全脳エミュレーションの時代(上):人工超知能EMが支配する世界の全貌作者: ロビン・ハンソン,-,小坂恵理出版社/メーカー: エヌティティ出版発売日: 2018/03/01メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る全脳エミュレーションの時代(…

異様な韓国文学──『鯨』

鯨 (韓国文学のオクリモノ)作者: チョン・ミョングァン,斎藤真理子出版社/メーカー: 晶文社発売日: 2018/05/21メディア: 単行本この商品を含むブログを見るこの『鯨』は韓国作家チョン・ミョングァンによる文学作品である。「今」の世代を代表する作家たちの…

次の十年に向けた6つの挑戦──『〔データブック〕近未来予測2025』

「フューチャー・アジェンダ」と呼ばれる、グローバルな未来予測プログラムがある。何をしているのかといえば、未来の医療から未来の通貨までのあらゆるテーマについて各分野の専門家に考えを執筆してもらい、それを土台にして1500を超える組織がワークショ…

《ウィッチャー》シリーズはゲームだけじゃなく原作小説もおもしろいぞ!

ウィッチャーI エルフの血脈 (ハヤカワ文庫FT)作者: アンドレイ・サプコフスキ,川野靖子,天沼春樹出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/08/24メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る《ウィッチャー》といえばその存在をゲームで知った人も多いだ…

もしもヴァンパイアが大英帝国を統治したら──『ドラキュラ紀元一八八八』

ドラキュラ紀元一八八八作者: キム・ニューマン,鍛治靖子出版社/メーカー: 書苑新社発売日: 2018/05/11メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見るキム・ニューマン『ドラキュラ紀元一八八八』は東京創元社の『ドラキュラ紀元』の増…

初心者向けのオススメSF記事を書きました&補足アフタートーク

今日「それどこ」に初心者向けのSFについて寄稿したので、こちらではその補足というかアフタートークでも。そもそも「初心者向けのSF」ってなんやねんという話でもしながら、取り上げられなかった/取り上げたかった本の話でもしようかと。 srdk.rakuten…

十年単位でじわじわと広まり、浸透していくような感動が──『ψの悲劇 The Tragedy of ψ』

ψの悲劇 The Tragedy of ψ (講談社ノベルス)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2018/05/09メディア: 新書この商品を含むブログを見るGシリーズ第11作目。はじまったのが2004年だから、もう14年目になる。途中で長い作中での時間・関係性の流れを表…

ワクチンに恐怖を感じる心理──『反ワクチン運動の真実: 死に至る選択』

反ワクチン運動の真実: 死に至る選択作者: ポールオフィット,ナカイサヤカ出版社/メーカー: 地人書館発売日: 2018/05/14メディア: 単行本この商品を含むブログを見る最近、麻疹が流行っている。日本では一度ほぼ根絶状態まで持っていった麻疹だが、他国では…