基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

奇妙で奇天烈、詩情とヴィジョンに支えられた快作揃いのSFアンソロジー──『Genesis 一万年の午後』

SF

Genesis 一万年の午後 (創元日本SFアンソロジー) (創元日本SFアンソロジー 1)作者: 堀晃ほか出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/12/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見るSFアンソロジーは『NOVA 2019年春号』が出たばかりだが、今…

無数のフィクション・キャラクターが入り乱れるホームズ・パスティーシュ──『モリアーティ秘録』

モリアーティ秘録〈上〉 (創元推理文庫)作者: キム・ニューマン,北原尚彦出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/12/12メディア: 文庫この商品を含むブログを見るモリアーティ秘録〈下〉 (創元推理文庫)作者: キム・ニューマン,北原尚彦出版社/メーカー: …

異なる道筋で進化した「心」を分析する──『タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源』

タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源作者: ピーター・ゴドフリー=スミス,夏目大出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2018/11/17メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見るタコというのはなかなかに賢い生き物で、その賢さを示すエピソード…

犬の世界を知る一冊──『犬であるとはどういうことか―その鼻が教える匂いの世界』

犬であるとはどういうことか―その鼻が教える匂いの世界作者: アレクサンドラ・ホロウィッツ,竹内和世出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2018/12/13メディア: 単行本この商品を含むブログを見る犬を飼っており、散歩させている人たちは重々承知の助だと思うが、…

人間を超えた存在になりたいと願う人々──『バイオハッキング―テクノロジーで知覚を拡張する』

バイオハッキング―テクノロジーで知覚を拡張する作者: カーラ・プラトーニ,田沢恭子出版社/メーカー: 白揚社発売日: 2018/11/08メディア: 単行本この商品を含むブログを見るこの本を読むまで僕もまったく知らなかったのだが、世の中にはバイオハッカー、グラ…

早川書房が国内作家の電子書籍セールをはじめたので、勝手にオススメをピックアップ

SF

虐殺器官 (ハヤカワ文庫JA)作者: 伊藤計劃出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2012/08/01メディア: Kindle版購入: 5人 クリック: 5回この商品を含むブログ (26件) を見る早川書房が国内作家の電子書籍セールをはじめたので、個人的なオススメをピックアップし…

最強メンバーを揃えて帰ってきたSFアンソロジー──『NOVA 2019年春号』

NOVA 2019年春号 (河出文庫 お 20-13)作者: 大森望出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2018/12/05メディア: 文庫この商品を含むブログを見る良質なSF短篇を世に送り出してきたSFアンソロジー『NOVA』は全10巻及び『NOVA+』以後、刊行が途絶えていたが…

マジのアメリカ合衆国元大統領が書いたサイバー・サスペンス──『大統領失踪』

大統領失踪 上巻作者: ビルクリントン,ジェイムズパタースン,越前敏弥,久野郁子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/12/05メディア: 単行本この商品を含むブログを見る大統領失踪 下巻作者: ビルクリントン,ジェイムズパタースン,越前敏弥,久野郁子出版社…

破滅へと向かう銀河帝国──『星間帝国の皇女 ―ラスト・エンペロー』

SF

星間帝国の皇女 ―ラスト・エンペロー― (ハヤカワ文庫SF)作者: ジョン・スコルジー,内田昌之出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/12/05メディア: 文庫この商品を含むブログを見る《老人と宇宙》シリーズや『レッドスーツ』で知られるジョン・スコルジー最…

抽出された記憶データに潜り込み、他者に理解可能な形に翻訳する記憶翻訳者たちの物語──『風牙』

SF

風牙 (創元日本SF叢書)作者: 門田充宏出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2018/10/31メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「風牙」とは門田充宏(かどた、じゃなくもんでん)さんの創元SF短篇受賞作だが、本作はそれと同世界・同一人物を中心とした…

怪異によって人間のおぞましい本性が浮き彫りになる──『人喰観音』

人喰観音作者: 篠たまき出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2018/10/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る早川書房から珍しく純ホラーが出た(『裏世界ピクニック』とかあるけど)と思い興味深く読んでみたけれども、これは大変怖い。…

食を通して伝統・文化を知る──『辺境メシ ヤバそうだから食べてみた』

辺境メシ ヤバそうだから食べてみた作者: 高野秀行出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2018/10/25メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る本書は高野秀行さんの週刊文春での連載をまとめた一冊である。タイトル通りに、日本を含む…