基本読書

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水滸伝 十五/北方謙三

感想 ネタバレ有

もう十五巻なのにまだ童貫出動しないんだけど・・・!?

あれか?童貫さんあれなのか?おまえは秘密兵器の上に最終兵器だから!絶対に最期まで出てくるなよ!と言っておきながら結局出番はないというオチなのか!?

ラッキーマンのスーパースターマンオチですね、わかります。

十五巻で何がヤバいって小李広の花栄がヤバい。なんかもう反則とか販促とかそんな段階を通り越してる。やばい。

それからなんか知らないけどバタバタキャラクターが死んでく。ヤバい。マジヤバい。何がヤバいってお気に入りのキャラが次々と死んでいって怒りが込み上げてくる物のどこにこの怒りをぶつけていいのかわからない。作中でお気に入りの人間を殺した奴かもしくは北方謙三にぶつければいいのか。

ばたばたと死んでく。あまりにもあっさりと死んでいくからひょっとしてここでこの物語は終わってしまうのではないかという錯覚にとらわれたぐらい死んでいく。

宋清 楽和 穆弘 欧鵬 李応 朱武

みんな死んだぞ!何故だ!何故なんだ! 穆弘も李応も朱武も物凄い描写を与えられていたのに最期あんなにあっさりと死んでいったのは何故だ!朱武なんて2行ぐらいしか描写が無かったぞどういう事だ北方ぁぁぁぁぁ

李応も、「死ねば土。そう思い定めている。どこからでもいいぞ、来い」なんていう滅茶苦茶かっこいいセリフを吐いてた時が懐かしいぜ。確かに役には立ったが、死にざまとしては地味すぎる。穆弘も、関勝、呼延灼と比べれば地味だったとはいえ物凄い活躍をして梁山泊に貢献し続けたのに、結局超安程度に殺されてるんじゃ世話ねーぜ・・・。しかも相打ちならまだしも、相手は紙一重で生き延びているとは。確かに戦に定評のある穆弘、自分で眼をえぐりだしたヤバい男穆弘というような特徴があるぐらいで、李俊みたいに船の知識があるとかそういった特別な特技が無いのが弱かったか・・・。だから死んでしまったのか・・・。ところで特別な特技って意味かぶってね?

ひょっとして地味なヤツから殺されていくのか?いやでも楽和なんて、梁山泊にただ一人しかいない音楽という癒しを提供してくれる存在だったのにあっさりと死んだぞ?

宋清だってとてつもなく地味だったのに兵站とかいうある意味戦で一番重要な任務をこなしていたのに・・・。兵站を重用視する佐藤大輔が読んだら怒るぞ。いやむしろ怒ったのは自分だよ! 兵站を手に入れるのは大変だ大変だって大変だって書くだけで全く描写してねーじゃねーか!何がどう大変なのかわからんよ!

欧鵬も欧鵬だよ!最後のセリフが


 「すげえものを見た。人間業じゃねえ。ほんとに、すげえものを見た」


ってどういうことだよ! ただのびっくりする役かよ!


 花栄は声をあげた。ふと足もとを見ると、欧鵬が倒れていた。すでに、息はしていなかった。

そして何事もなかったように死んでるううううう。しかも気付かれてねえええええなんてこったあぁぁぁぁぁ。

まぁこいつらはいいよ。それなりに喋って死んでいったんだから。悲惨なのは朱武さね。ほんとに地の文で二行だけだよ、朱武が死んだ描写は。いったいどうなってんだよ。今まで梁山泊に貢献してきた朱武なのに死ぬ時は二行かよ。しかも敵に一太刀あびせたとかならまだしも、まったく相手にならずに一瞬で殺されるってどういう事だよ。もうちょっと頑張ってほしかったよ。

いかん、お気に入りのキャラを大量虐殺されて気がくるっとる。

この巻あたりから、というか前の巻からだったかもしれないが、ちゃくちゃくと次の世代への継承が行なわれている気がする。
張平が子午山に預けられたのがその筆頭だし、超林の加入もそうだし、色々な子供が梁山泊に誕生しているのもそうだ。すべては楊令伝への布石だろうか。この張平が今後どんな活躍をするのか全く読めないが、楊令伝にて楊令の片腕のような存在になるのだろうか。期待が高まる。

十四巻が大人しかっただけに十五巻は本当に激しかったなぁ。梁山泊がいったいどんな秘策を用意しているのかとわくわくしながら読んでいたが、まさか北京大名府を落とす作戦だったとは・・・。本当にギリギリセーフという感じ。