基本読書

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ウンコな議論

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 いやー本当にウンコみたいな本でしたよ。1ページに平均7回ほど『ウンコ』という単語が出てきて読んでいて気が狂いそうになりました。表紙も割と最低ですしね。書影出てるかな? たぶん出てないと思うので解説しておくと、ウンコな議論、と一番上にドン! と書いてあって、そのすぐ右下にケツと頭が一体化している非常に気持ちの悪い絵が描いてあるんですよ。うう、とっても気持ち悪い。さてさて驚くべきなのは気持ち悪さだけではなく、その薄さにもです。正直これぐらい薄くないと、ネタでさえ読んでみようと思いませんからこの薄さはってもありがたい。なんと本全体で106Pしかなく、57Pからは訳者の解説なので実質56Pしか本文がない。これは一冊の本としては短い、ショートショートといっていいでしょう。内容も本格的に論じられたものではなく、その辺の立ち話にも等しい内容です。さて、本書では何が書かれていたんでしたっけな?

 本書でいう『ウンコな議論』の意味を軽く説明すると、その場しのぎの言い逃れ、口先からあふれ出てくる、ふかし、ごまかし、はぐらかし…そういったものを総称してここでは『ウンコ議論』としています。あまりにも意味が明確に伝わってこなく、これは訳者の責任だろう…と思っていたのですが原文と対して違っていないようです。まあそれはおいといて。ウンコ議論というのはこと日本においてはたくさん溢れかえっているわけですよ。一番有名なところだと国会議事堂とかいうところでですね。どんな質問に対しても何の答にもなっていないような答弁でその場を乗り切る、そんなパターンがあまりにも多い。まあ、だからどうしたとか、だからこうしろとか、いうことは本書では書かれておらんのです。ただウンコな議論ってなんだ? という話を哲学的に、ウィトゲンシュタインの言葉を大量に引用しながら語るんですねウィトゲンシュタインもウンコという単語が1ページに七回も出てくるような本で引用されるとは思ってもみなかったでしょうが、世の中には萌えキャラにされてしまう歴史上の人物もいることですしまだ可愛げのある方といえるでしょう。

 ああそうそう、このフランクファートさん、哲学の分野では大御所らしいのですよね。そんな人がこんなウンコウンコ言っている本を実名で書いたっていうんで、哲学界は大慌てだったそうです。世の中には色々な人がいますね、と毒にも薬にもならない何の意味もはらんでいないウンコ文章を書いて終わりとします。