蛇の言葉を話した男作者:アンドルス・キヴィラフク河出書房新社Amazonこの『蛇の言葉を話した男』は、エストニアで歴代トップ10に入るベストセラーに入り、フランス語版も大ヒットして14ヶ国語に翻訳されたファンタジィ長篇である。帯には、『これがどんな本…
はじめに 本の雑誌2021年3月号掲載の原稿を転載します。普段僕が連載で取り上げている本は完全に自分の好みで選んでいるせいでサイエンスノンフィクション多め、それもほぼ翻訳書になってしまうのだが、今回は『2016年の週刊文春』とか、『ゲンロン戦記 「知…
中国史SF短篇集-移動迷宮 (単行本)中央公論新社Amazonこの『移動迷宮』は近年躍進著しい中国SFの中でも、中国の歴史を扱ったSF短篇を集めたアンソロジーである。SFジャンルは近年それなりに市民権を得てきたといっても、特に翻訳ではまだごく一部の出版社(早…
裏切り者作者:アストリッド ホーレーダー早川書房Amazon本書『裏切り者』は、映画にもなった「ハイネケンCEO誘拐事件」の実行犯として知られ、その後も犯罪を重ね「オランダ史上最悪の犯罪者」と恐れられるまでになった男ウィレム・ホーレーダーについて書か…
NEO HUMAN ネオ・ヒューマン―究極の自由を得る未来作者:ピーター・スコット・モーガン東洋経済新報社Amazon ALSという病 筋萎縮性側索硬化症(ALS)という病気がある。体が徐々に動かなくなっていき、最終的には自発的な呼吸も行うことができず、意…
嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書――自閉症者と小説を読む作者:ラルフ・ジェームズ・サヴァリーズみすず書房Amazonこの『嗅ぐ文学、動く言葉、感じる読書』は、副題に入っているように、本書の著者が自閉症者と共に色んな小説を読んで語り合ってみたという、た…
蜂の物語作者:ラリーン・ポール早川書房Amazon週刊少年ジャンプにはこれまで様々な打ち切り漫画が生まれてきたが、僕がその中でも最も打ち切りがショックだったのが、マキバオーなどで知られるつの丸による『サバイビー』だった。ミツバチを主人公に、その生…
こうしてあなたたちは時間戦争に負ける (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者:アマル・エル=モータル,マックス・グラッドストン早川書房Amazonこの『こうしてあなたたちは時間戦争に負ける』は、アマル・エル=モータル、マックス・グラッドスト二人の共作による…
はじめに 本の雑誌2021年2月号掲載の原稿を転載します。月によってオススメの本の冊数にもオススメ度にも変動があるわけだけれども、今回取り上げた原稿はおもしろいものばかり。特に『エデュケーション』の凄まじさ、『存在しない女たち』が明かす「なかっ…
スペース・コロニー 宇宙で暮らす方法 (ブルーバックス)作者:向井千秋,東京理科大学スペース・コロニー研究センター講談社Amazon近年、イーロン・マスク率いるスペースXや、アマゾンのジェフ・ベゾスのブルー・オリジンなど、民間の宇宙関連企業が大きく伸び…
エラリー・クイーン 創作の秘密: 往復書簡1947-1950年作者:ジョゼフ・グッドリッチ国書刊行会Amazonこの『エラリー・クイーン 創作の秘密』は、二人組の小説家であった伝説的ミステリ作家エラリー・クイーンの執筆が具体的にどのように成し遂げられてきたの…
時の他に敵なし (竹書房文庫 び 3-1)作者:マイクル・ビショップ竹書房Amazonこの『時の他に敵なし』は、1982年に刊行されネビュラ賞も受賞した、マイクル・ビショップによるタイムトラベル・ラブロマンスである。今回が本邦初訳で、この時代にあらためて翻訳…