基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

わたしたちの世界は、わたしたち自身だ──『生まれながらのサイボーグ: 心・テクノロジー・知能の未来』 by :アンディ・クラーク

生まれながらのサイボーグ: 心・テクノロジー・知能の未来 (現代哲学への招待 Great Works)作者: アンディ・クラーク,呉羽真,久木田水生,西尾香苗出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2015/07/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る書名でまず惹…

愚かさは病気なのか──『軌道学園都市フロンテラ』 by ジョーン・スロンチェフスキ

SF

軌道学園都市フロンテラ〈上〉 (創元SF文庫)作者: ジョーン・スロンチェフスキ,加藤直之,金子浩出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2015/06/29メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る軌道学園都市フロンテラ〈下〉 (創元SF文庫)作者: ジョー…

人間、その不確かさ──『逆行の夏: ジョン・ヴァーリイ傑作選』 by ジョン・ヴァーリイ

逆行の夏: ジョン・ヴァーリイ傑作選 (ハヤカワ文庫SF)作者: ジョンヴァーリイ,John Varley,浅倉久志出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/07/23メディア: 新書この商品を含むブログ (4件) を見る本書『逆行の夏: ジョン・ヴァーリイ傑作選』ジョン・ヴァ…

少人数ゆえの自由と制約──『”ひとり出版社”という働きかた』

“ひとり出版社”という働きかた作者: 西山雅子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2015/07/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見るただでさえ出版業界全体の売上が年々減っていっている状況下であえて”ひとり出版社”を貫く出版人へのインタビュー集…

アレルギーはなぜ増えているのか──『失われてゆく、我々の内なる細菌』 by マーティン・J・ブレイザー

失われてゆく、我々の内なる細菌作者: マーティン・J・ブレイザー,山本太郎出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2015/07/02メディア: 単行本この商品を含むブログを見るツイッタを眺めていると時々「むかしはアレルギーの人間がいなかったのは……わかるな?」…

SFまで10000光年 by 水玉螢之丞

SFまで10000光年作者: 水玉螢之丞出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/07/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る絵と手書き文字で彩られたページはいつも独特な雰囲気を漂わせ、当たり前のようにそこにあったのでこの先もずっとあるものだ…

知能の高いヤツがバカなことをする理由──『知能のパラドックス』 by サトシ・カナザワ

知能のパラドックス作者: サトシ・カナザワ,金井啓太出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2015/07/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見る「知能のパラドックス」と書名にもなっているとおり(原題はthe intelligence paradox)、知能が高いことが=賢い…

ばらばらになった時代と空間を探検せよ──『マップメイカー―ソフィアとガラスの地図』 by S・Eグローヴ

マップメイカー―ソフィアとガラスの地図 (上) (ハヤカワ文庫FT) (ハヤカワ文庫 FT ク 7-1)作者: S・E グローヴ,吉嶺英美出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/07/23メディア: 文庫この商品を含むブログを見るマップメイカー―ソフィアとガラスの地図 (下) (…

村上さんのところ by 村上春樹

村上さんのところ作者: 村上 春樹,フジモトマサル出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2015/07/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る村上さんのところ、という小説家の村上春樹さんが2015年の1月15日から5月13日までの間に寄せ…

科学と非科学の物語──『エクソダス症候群』 by 宮内悠介

エクソダス症候群 (創元日本SF叢書)作者: 宮内悠介出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2015/06/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る宮内悠介さんというのは不可思議な作家であると思う。何より不可思議だと思うのは、その作品の方向性が…

本質を見通す100の講義 by 森博嗣

本質を見通す100の講義作者: 森博嗣出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2015/07/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る100の様々な発想を元に、1発想につき見開き2ページで簡単なエッセイが書かれている、100の講義シリーズの第4弾だ…

いま・ここにある/いるゾンビ『ゾンビの科学』 by フランク・スウェイン

ゾンビの科学:よみがえりとマインドコントロールの探究作者: フランク・スウェイン,西田美緒子出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2015/07/17メディア: 単行本この商品を含むブログを見るゾンビとは一番シンプルな解釈でいえば物体となって動き回る死…

映画の「現在」──『映画時評 2012-2014』 by 蓮實重彦

映画時評 2012-2014作者: 蓮實重彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/07/09メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る日記的にだらっと書かせてもらう。批評なるものにほとんど興味がなく、映画も映画館で年に2〜3本見るほかは借りてく…

ファンタジー×就活──『犬と魔法のファンタジー』 by 田中ロミオ

犬と魔法のファンタジー (ガガガ文庫 た 1-19)作者: 田中ロミオ,えびら出版社/メーカー: 小学館発売日: 2015/07/17メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る田中ロミオがファンタジーを書くという。かねてよりの田中ロミオファンは誰もが「それが真…

【アラサー読書会告知】2015/08/01@渋谷 東浩紀『クォンタムファミリーズ』

クォンタム・ファミリーズ (河出文庫)作者: 東浩紀出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2013/02/05メディア: 文庫 クリック: 5回この商品を含むブログ (15件) を見る日時 :2015年08月01日(土) 15:30~ だいたい二時間ぐらい? 場所 :渋谷のどこか 会費 …

言語大戦──『月世界小説』 by 牧野修

月世界小説 (ハヤカワ文庫JA)作者: 牧野修出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/07/08メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る小説とは言語で表現しうる何もかもを展開できる表現形式である。100億の軍勢がそこにはいたと書いただけでそこに100億…

本を読むときに何が起きているのか ー ことばとビジュアルの間、目と頭の間 by ピーター・メンデルサンド

本を読むときに何が起きているのか ことばとビジュアルの間、目と頭の間作者: ピーター・メンデルサンド,山本貴光,細谷由依子出版社/メーカー: フィルムアート社発売日: 2015/06/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見るあなたは今、この文章を…

Sound Design  映画を響かせる「音」のつくり方 by デヴィッド・ゾネンシェイン

Sound Design 映画を響かせる「音」のつくり方作者: デイヴィッド・ゾンネンシャイン,シカ・マッケンジー出版社/メーカー: フィルムアート社発売日: 2015/06/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る映画音響についての本。ドマイナーなジャル…

来訪者 by ロアルド・ダール

来訪者〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ロアルド・ダール,山?若菜,田口俊樹出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/07/08メディア: 文庫この商品を含むブログを見るロアルド・ダール作品はひとつも読んだことがない。一番有名なのはティム・バート…

PIECES Gem〈01〉攻殻機動隊データ+α by 士郎正宗

PIECES Gem〈01〉攻殻機動隊データ+α作者: 士郎正宗出版社/メーカー: 青心社発売日: 2014/11メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る元からの攻殻機動隊(漫画)のファン、というか士郎正宗ファンは当然買っているだろうし、アニメ版、最近だとAR…

その〈脳科学〉にご用心: 脳画像で心はわかるのか by サリー サテル,スコット・O. リリエンフェルド

これはけっこう面白い。書名からもわかる通り、脳画像で「嘘をついているかわかります!」とか「購買行動を刺激させる方法がわかります!」とか「中毒症状は脳の疾患だから脳をいじいじすることで治せます!」的なうさんくさい言質の「どこまでが脳で本当に…

近未来☓ド田舎ミステリ『美森まんじゃしろのサオリさん』 by 小川一水

美森まんじゃしろのサオリさん作者: 小川一水出版社/メーカー: 光文社発売日: 2015/06/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るどことも知れない片田舎で起こる様々な田舎特有の土着信仰に関わる事件・問題の解決に二人の若い男女が挑…

記憶をあやつる by 井ノ口馨

ニューロサイエンスや分子脳科学といった学問分野がどのようにして成立していったのかから始まって、マウスに「存在していない記憶を植え付ける」ことに成功する現在までを駆け足にみていくコンパクトにまとまった本だ。マウスへの実験が成功したからといっ…

幼児教育の経済学 by ジェームズ・J・ヘックマン

これは128ページしかないのだが、その分コンパクトに論点がまとまっていてなかなかおもしろい。元になっているのはたぶん40ページぐらい? 電子書籍で読んだのでページ数がわからないが、30パーセント分ぐらいのヘックマンによる論文で、その後この論文に様…

私の恋人 by 上田岳弘

SF

『太陽・惑星』に次ぐ上田岳弘の二作目にあたる。そこに説明を付け加えるなら、第28回三島由紀夫賞をピース又吉の『火花』と接戦で制した受賞作である、というあたりだろうか。本書はなんと全部で126Pしかなく、本来なら中編程度の作品だ。せっかく受賞した…

この世界が消えたあとの科学文明のつくりかた by ルイス・ダートネル

30年ぶりにシリーズ続編として公開された『マッドマックス 怒りのデス・ロード』は突き抜けて凄まじい、破壊的なエンターテイメントだった。崩壊した地球文明の後に残った脳筋の男共が滅茶苦茶に改造されもはや原形が何だったのかさっぱりわからない車とバイ…

江波光則・殊能将之・文明再興

はじまりの挨拶 2015年6月に僕が読んできた本と書いてきた記事等の振り返り記事になります。毎回毎回思うのだが、一月を振り返ると言っても月のはじめに何を読んでいたのか・何を考えていたのかもうさっぱり思い出せない。書いた記事をみて「ああ、これを読…