基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2013-05-01から1ヶ月間の記事一覧

読書好きってめんどうくさいよね『バーナード嬢曰く。 (REXコミックス)』

施川 ユウキ著の漫画作品。「なんとかして読まずにすませて読書家の雰囲気だけ出したい!」という女の子が必死にがんばっていて好感が持てる。SFマニアな友人が出てきたり、シャーロキアンな友人が出てきたり、普通の本読みが出てきたりとバリエーション豊…

「わたしはこの星の全機能を、歯車だけで動かす設計図を作った」『クロックワーク・プラネット1 (講談社ラノベ文庫)』

『クロックワーク・プラネット』ライトノベルのシリーズ一作目で、著者は『ノーゲーム・ノーライフ』でライトノベル作家デビューした(その前は漫画家、イラストレーター)榎宮祐さん。もう一人は暇奈椿さん。キャラクタが美少女だったり、その会話の内容、…

遠き神々の炎

あまり比較するものがなくてどのように形容したらいいのか、難しい。異星人の描写や、そもそも宇宙の構造自体を現実から乖離させた形として書いているのだが、その根底からつくりかえちゃった世界観がたいへん素晴らしく、興奮する。いやほんとすごいんだよ…

人間ってそんなものね

考えてるつもりという本を読む。影響力の武器などは古典的名著だが、最近だとダニエル・カーネマンのファスト&スローや、『すべては先送りでうまくいく』やら『正直シグナル』とか、にたよ〜なテーマの本が昔から今に至るまで延々と出続けているよなあとい…

これは凄い。『ヨハネスブルグの天使たち (Jコレクション)』

『盤上の夜』で盛り上がった作家宮内裕介さんの最新作。いやはやこれは珍しいアフリカSFですよ! 他は……キリンヤガぐらい?(あんまり知らない)しかも傑作だし! 帯には『伊藤計劃が幻視したヴィジョンをJ・G・バラードの手法で書く注目の新鋭による第2作…

にすいです。 冲方丁対談集

冲方丁の対談集だが、何が凄いってまずそのメンツが凄い。かわぐちかいじ、富野由悠季、井上雄彦、養老孟司、夢枕獏、伊坂幸太郎、天野喜孝、鈴木一義、中野美奈子、滝田洋二郎、山本淳子……。かわぐちかいじとはその創作論がおもしろく、富野由悠季は政治を…

ウイルス・プラネット (飛鳥新社ポピュラーサイエンス)

『ウイルス・プラネット (飛鳥新社ポピュラーサイエンス)』は、ウイルスの世界について書かれた、エッセイ集のようなもの。ウイルスというのは奥が深い。生物なのか無生物なのか未だに議論が続いている存在であり、人間にとって風邪やインフルエンザ、HIVの…

暦物語

この物語シリーズも、ずいぶんと長いシリーズになったものだ。最近完結しためだかボックスしかり、戯言シリーズしかり、どうにも西尾維新殿の物語収拾能力は低いと言わざるをえない。最初から巻数を厳密に規定されていた刀語と、元々一巻物として書かれたも…

知とは何か『集合知とは何か - ネット時代の「知」のゆくえ (中公新書)』

「知とは何か」という問いかけ、そして今後の時代の「知はどのような形態をとっていくのか」について書かれた一冊。知についての議論で「これまで」と「現状」と「これから」が短くコンパクトにまとまっていて、非常に刺激的だった。。集合知とは何かを問う…

The New Digital Age: Reshaping the Future of People, Nations and Business

『The New Digital Age: Reshaping the Future of People, Nations and Business』 以下 The New Digital Ageは、えーと……Googleの会長? chirmanって日本語だとなんていうのが正しいのかよくわからないが、まあchirmanであるエリック・シュミットによって書…

「いいね」時代の繋がり―Webで心は充たせるか?

著者ははてなダイアリーで有名なお方でお名前をシロクマ殿という。言及される時はたいていシロクマ先生(精神科医なので)と呼ばれているようなので、以下それにならう。本書はネットの、心理学的側面について書かれた電子書籍になる。なんとなく話題になっ…

ビブリオバトル 本を知り人を知る書評ゲーム (文春新書 901)

きみはビブリオバトルを知っているか。ちなみに僕はよく知らない。何やらTwitterで読書家の方々がいそいそと外に出かけていき、人を引き込み、びっくりさせる為の作戦を立てて、きゃっきゃきゃっきゃいって楽しそうだったのは知っていた。どうも、参加者はオ…

ねえ、ぼくはそんな立派な人間じゃない。自分に何ができるか知りたいだけなんだ。『機械男』

本書『機械男』はマックス・バリーによる長編作品。もともとは著者のウェブサイトで1ページずつ連載されたものを書籍化したもので、その時に寄せられた多くのコメントや読者の反応が随時作品内に反映されたそうだ。ある意味小説のオープンソースプロジェク…

鉄条網の歴史 ~自然・人間・戦争を変貌させた負の大発明

鉄条網に視点をしぼった一冊ということで、なかなかマニアックな内容だとは思う。だが米国では鉄条網を収集するマニアが多いのだという。多いって、どれぐらいだよとは疑問に思うものの、まあ数万人単位では存在しているのではなかろうか。鉄条網を収集する…

「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書)

森博嗣先生の新刊。「これからの働き方」をテーマに書いてほしいという依頼を受けて書いた一冊とのことで、就活自殺やら、ブラック企業が〜社畜が〜といった仕事に関する悲観的な言質が多いが、そんな世界に生きている、これから生きていこうとする人へ向け…

押井守のガールズアンドパンツァー語り

ガールズアンドパンツァーは素晴らしいアニメだった。プロットはシンプルで、何よりも実際に戦車が動き、戦車ごとの特性が戦術、戦略に取り入れられ話が進んでいくのに感動した。そんな企画が通ったのもかわいい女の子しか出てこない「萌え」を配置した点が…

不幸は治療対象なのか?『幸福の遺伝子』リチャード・パワーズ

幸福の遺伝子はリチャード・パワーズによる最新著作。えーと英語版では2009年出版(あとで書くが、けっこうすごい。)。日本語翻訳されたものの中では7作目かな。まだ4作未訳のものが残っている(とはいえパワーズにとってもこれが最新だと思う。)。…

Gene Mapper -full build- (ハヤカワ文庫 JA フ 4-1)

Kindleで一時期ランキング一位にとどまり続けていた一冊なので知っている方も多いだろう。僕もその当時目にして、知っていたのだが。聞こえてくる評判は「セルフ出版本が一位に!」「その手法がすごい!」といった話ばっかりで、内容にまで踏み込んだものは…

アイアンマン3

いやーたいへん素晴らしかった。オタクが愛の為に自分のコレクションを諦める話。この三作の中ではいちばん好きな作品になってしまった。しょうじき2の話は微妙に思っていて、まああの流れだと3はもう……と悲観的な気持ちで見に行ったのだけど、良い意味で…

最適な中間を探す旅『インフォメーション: 情報技術の人類史』

500ページを超えるなかなかの大著だが、それだけの価値はある。情報なんてそこらへんにありふれているもので、すごく身近な存在というものですが実際に「情報ってなんなの」ってことを厳密に説明してくださいと言われると難しいことに気がつくわけです。…

凍りの掌

凍りの掌作者: おざわゆき出版社/メーカー: 小池書院発売日: 2012/06/23メディア: コミック購入: 2人 クリック: 17回この商品を含むブログを見る第十六回文化庁メディア芸術祭新人賞受賞作。著者であるおざわゆきさんの父親が実際に体験したシベリアの抑留経…