基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

スポーツを10倍楽しむ統計学 (DOJIN選書) by 鳥越規央

一言でいってしまえば色んなスポーツを統計やら確率の数値を出してみてみようというだけの本なのだけど、それだけのことがめっぽう面白い。実際にはそれだけではなく、スポーツを数学的に解析していくことによって戦略から戦術、トレーニングはどこに重点を…

3652: 伊坂幸太郎エッセイ集 (新潮文庫) by 伊坂幸太郎

伊坂幸太郎のエッセイ集。五年前に出た単行本の文庫落ちで、その五年の間に書かれたものも収録されているからこっちが完全版ということになる。あと伊坂幸太郎さんへのインタビューを注として入れたものがけっこうたくさん入っているので、それをちまちまと…

タイム・シップ〔新版〕 by スティーヴン・バクスター

もともと上下巻で発刊されていたものを今回一巻本に。そのおかげもあって700ページの大著になってしまわれたけれども、どうなんでしょう。僕としては1000ページ超えとかでない限りは、一巻にまとまっていた方が嬉しいけれども、じっくり時間をかけて読むと薄…

誰得読書会『SFマガジン700【国内篇】』開催レポート

誰得読書会@渋谷付近 5月24日(日)16:00−18:00課題本:『SFマガジン700【国内篇】』の募集告知 - 基本読書⇐を実施してきましたのでいつもどおり開催レポを書きます。今回はまあ本がちと新刊から外れていることもあってそんなに集まらな…

チャッピー by ニール・ブロムカンプ

チャッピーアーティスト: ハンス・ジマー出版社/メーカー: Rambling RECORDS発売日: 2015/05/20メディア: CDこの商品を含むブログを見るおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおいいいいいい神映画かよおおおおおお…

ミステリ編集道 by 新保博久

タイトル買い。『戦後のミステリ出版史のアウトラインが辿れるものに、結果的になったように自負する。』と語る内容そのままに、殆どは既に定年などで退職した名編集者らへのインタビューを丁寧にまとめた一冊になっている。人選もさることながら、注釈が充…

十二大戦 by 西尾維新

十二大戦作者: 西尾維新,中村光出版社/メーカー: 集英社発売日: 2015/05/19メディア: 単行本この商品を含むブログを見る能力バトルは死んで欲しいというのが僕のささやかな願いである。それも、もたもたとためらわせて演出たっぷりに死ぬんではなく、あっさ…

流 by 東山彰良

2000年前の人間も現代の人間もやっていることや快感を得る手段はそう対して変わらない。恋をして家族をつくって子供を産んで時に争って未来に戸惑う。そうはいっても時代も場所も移り変わればそうした一つ一つの出来事はまったく形をかえて個々人に起こ…

明日の狩りの詞の by 石川博品

主にライトノベル・レーベルで活躍する石川博品さんだが同人誌で出した四人姉妹百合物帳を星海社文庫から出したことが縁になったのか、星海社から続けて本を出すことになったようだ。それが本書『明日の狩りの詞の』。なんと宇宙人が地球にやってきた以後の…

Uncreative Writing: Managing Language in the Digital Age by Kenneth Goldsmith

Uncreative Writingと書名がついているように、一般的にはクリエイティブじゃないよね、クールじゃないよねみたいなやり方で生まれてくるcreativeな側面もあるんじゃない? むしろuncreativeだと思われて手をつけられていないところにこそ、今後重要になるん…

忘れられた巨人 by カズオ・イシグロ

なんとも不可解な小説──というのが、一読したあと「なんだったんだろう? もう一回読むか」と読み返している時に湧いて出た感想である。それは単純に「わかりにくい小説」を意味するわけではない。むしろ展開としてはストレートで、もちろん物語のラストなど…

ハイジャック犯は空の彼方に何を夢見たのか by ブレンダン・I・コーナー

我々は今では飛行機に乗る時に厳重な持ち物の検査を受ける。長い列ができて、それなりに時間がかかることも珍しくない。持ち込みは制限されるし、見られたくないものであってもガサガサとチェックを入れられてしまう。そうした状況への抗議はあれど、多くの…

24人のビリー・ミリガン〔新版〕 by ダニエル・キイス

ダニエル・キイスといえば有名作の『アルジャーノンに花束を』と本書『24人のビリー・ミリガン』を思い浮かべる人が多いのではないか。24人のビリー・ミリガン〔新版〕上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者: ダニエル・キイス,堀内静子出版社/メーカー: …

特別料理〔新版〕by スタンリイ・エリン

ハヤカワ・ミステリ文庫から出ているし、表題作はミステリマガジンのオールタイム・ベスト短編部門の第二位をとっているぐらいなのでミステリ短編集と呼称したほうがいいのだろう。が、殆どの作品は別段謎を解くわけでもなくむし殺人などの事象はジレンマが…

はだかの太陽〔新訳版〕 by アイザック・アシモフ

『鋼鉄都市』について書いた記事で「まあアイディアは古びているけど演出は良いしなかなかおもしろい」なんて偉そうに書いてしまったことを謝りたくなる。もちろんその言葉に嘘はないが、続編でもある本書『はだかの太陽』は鋼鉄都市をはるかに飛び越えて面…

鋼鉄都市 by アイザック・アシモフ

ハヤカワ文庫補完計画というのが現在早川書房70周年を記念して行われている。で、その一環としてこの『鋼鉄都市』の続編である『はだかの太陽』が復刊されることになったのだが、僕は現在ハヤカワ文庫補完計画全レビューを行っているところだ。鋼鉄都市はハ…

忘却のレーテ (新潮文庫nex) by 法条遙

断言する、読み終えた後に貴方は最初から読み直す! とかもう一度観たくなる! とかいう煽り文句がたまにある。本書の場合はちょっと違って、読み終えた後に「後ろから読み通したくなる」という意味で特異な作品だ。本書『忘却のレーテ』は、昨年単行本で出…

パーマー・エルドリッチの三つの聖痕 by フィリップ・K・ディック

パーマー・エルドリッチの三つの聖痕 (ハヤカワ文庫SF)作者: フィリップ・K・ディック,浅倉久志出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1984/12/12メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 29回この商品を含むブログ (40件) を見るよく構成された悪夢のような本だ。…

「衝動」に支配される世界---我慢しない消費者が社会を食いつくす by ポール・ロバーツ

「衝動」に支配される世界---我慢しない消費者が社会を食いつくす作者: ポール・ロバーツ/神保哲生解説出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2015/03/20メディア: 単行本この商品を含むブログを見るTwitterやFacebookは常に何らかの更新が発生し続けてい…

友だちはいらない。 by 押井守

友だちはいらない。(TV Bros.新書) (TOKYO NEWS MOOK 481号)作者: 押井守出版社/メーカー: 東京ニュース通信社発売日: 2015/04/30メディア: ムックこの商品を含むブログを見るぱらっとめくってみて「げ、聞き書きかよお」と思ってしまったけどめっぽう面白…

ハヤカワ文庫補完計画・マレ・サカチ・駄目な石

月初の挨拶 環境が変わった人は一月が経ち、一年としては三分の一が経過し、新しくはじまったアニメはそれぞれ面白いところへ差し掛かりありつつ昨今ですが皆様いかがお過ごしでしょうか。僕に限って言えばこの一月の間目立ったイベントは特にありませんが、…