基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

その他のノンフィクション

君たちが大好きだ。心から──『これで駄目なら 若い君たちへ――卒業式講演集』

これで駄目なら 若い君たちへ――卒業式講演集作者: カート・ヴォネガット,円城塔出版社/メーカー: 飛鳥新社発売日: 2016/01/21メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見るヴォネガット最後の著作となったエッセイ集『国のない男』が2007年に日本でも…

異質なものとの遭遇──『翻訳問答2 創作のヒミツ』

翻訳問答2 創作のヒミツ作者: 鴻巣友季子出版社/メーカー: 左右社発売日: 2016/01/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る鴻巣友季子さんと片岡義男さんの、言わば翻訳の達人二人によって行われた『翻訳問答』に続き、今作では小説家…

ハンター・キラー アメリカ空軍・遠隔操縦航空機パイロットの証言

ハンター・キラー アメリカ空軍・遠隔操縦航空機パイロットの証言作者: T・マーク・マッカーリー中佐,ケヴィン・マウラー,深澤誉子出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2015/12/25メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る遠隔操縦航空機(R…

理想と現実の狭間で──『国境なき医師団: 終わりなき挑戦、希望への意志』

国境なき医師団――終わりなき挑戦、希望への意志作者: レネー・C・フォックス,坂川雅子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2015/12/25メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る書名通りに国境なき医師団について、その内部にいる人間が率直に語っ…

「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する

「読まなくてもいい本」の読書案内:知の最前線を5日間で探検する (単行本)作者: 橘玲出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2015/11/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るこれはコンセプトが明快でシンプルな構成の本なのであまり紹介…

なぜ国々は戦争をするのか by ジョン・G・ストウシンガー

なぜ国々は戦争をするのか 上作者: ジョン・G・ストウシンガー,等松春夫,比較戦争史研究会出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2015/10/27メディア: 単行本この商品を含むブログを見るなぜ国々は戦争をするのか 下作者: ジョン・G・ストウシンガー,等松春夫,…

45年の歴史が一冊に──『ハヤカワ文庫SF総解説2000』

ハヤカワ文庫SF総解説2000作者: 早川書房編集部出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/11/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (5件) を見る基本的な説明をしておくと、本書はハヤカワ文庫SFに納められた作品が2000番まで割り振られた…

めちゃくちゃ狂ってるが、めちゃくちゃかっこいい!──『冒険歌手 珍・世界最悪の旅』

冒険歌手 珍・世界最悪の旅作者: 峠恵子出版社/メーカー: 山と溪谷社発売日: 2015/09/18メディア: Kindle版この商品を含むブログ (1件) を見るHONZというノンフィクション本のレビューサイトに月二回、僕も書かせてもらっている。そのHONZには、たまに朝の7…

これはひどい──『動くものはすべて殺せ――アメリカ兵はベトナムで何をしたか』

動くものはすべて殺せ――アメリカ兵はベトナムで何をしたか作者: ニック・タース,布施由紀子出版社/メーカー: みすず書房発売日: 2015/10/02メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見るこれはひどいとしか言いようがない。本書はアメリカ兵によるベト…

ヴィジョンと行動力と実力を持ったキチガイ──『イーロン・マスク 未来を創る男』

イーロン・マスク 未来を創る男作者: アシュリー・バンス,斎藤栄一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/09/16メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見るこの世界はとてもおもしろいと思う。いつだっておかしなこと、予測もつか…

世界の動きを「読める」ようになり、人生を「意味づける」為に──『知的トレーニングの技術』

知的トレーニングの技術〔完全独習版〕 (ちくま学芸文庫)作者: 花村太郎出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2015/09/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る読書猿という有名な……何ブログなんだ? 知的向上心のある人間の為のブログ──とかいうと…

世界の辺境と中世日本に共通点を見いだす──『世界の辺境とハードボイルド室町時代』

世界の辺境とハードボイルド室町時代作者: 高野秀行,清水克行出版社/メーカー: 集英社インターナショナル発売日: 2015/08/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る高野秀行さんと清水克行さんによる「世界の辺境と中世日本って…

野望を抱きカオスと踊る──『ネオ・チャイナ:富、真実、心のよりどころを求める13億人の野望』

ネオ・チャイナ:富、真実、心のよりどころを求める13億人の野望作者: エヴァン・オズノス,笠井亮平出版社/メーカー: 白水社発売日: 2015/07/28メディア: 単行本この商品を含むブログを見るいやーこれはもう完膚なきまでに面白かった。「ネオ・チャイナ」は…

揃えも揃えたり五十人──『この作家この10冊』

この作家この10冊作者: 本の雑誌編集部出版社/メーカー: 本の雑誌社発売日: 2015/08/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る月刊誌「本の雑誌」で続いている、「作家の10冊」というコーナーから50回分を収録した一冊になる。…

合理的理由でもって削がれてゆく耳鼻──『耳鼻削ぎの日本史』

世界の辺境とハードボイルド室町時代作者: 高野秀行,清水克行出版社/メーカー: 集英社インターナショナル発売日: 2015/08/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る世界の辺境と中世日本ってよく似てるよねというシンプルな着想から始…

ユダヤ人たちの復讐の記録──『復讐者たち』 by マイケル・バー゠ゾウハー

復讐者たち〔新版〕 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者: マイケル・バー?ゾウハー,広瀬順弘出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/08/21メディア: 文庫この商品を含むブログを見る女児や乳児を含む実に600万人のユダヤ人がナチス・ドイツに残酷に殺され…

映画は中国を目指す─中国映像ビジネス最前線─ by 中根研一

映画は中国を目指す (映画秘宝collection)作者: 中根研一出版社/メーカー: 洋泉社発売日: 2015/08/06メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るやけにハリウッド映画に中国への配慮があることを意識したのはたぶんトランスフォーマー現時…

太平洋戦争全史──『大日本帝国の興亡』 by ジョン・トーランド

大日本帝国の興亡〔新版〕1:暁のZ作戦 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者: ジョン・トーランド,John Toland,毎日新聞社出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/06/04メディア: 文庫この商品を含むブログを見る全5巻にわたって太平洋戦争の発端から結…

水曜日のアニメが待ち遠しい:フランス人から見た日本サブカルチャーの魅力を解き明かす by トリスタンブルネ

水曜日のアニメが待ち遠しい:フランス人から見た日本サブカルチャーの魅力を解き明かす作者: トリスタンブルネ,Tristan Brunet出版社/メーカー: 誠文堂新光社発売日: 2015/08/03メディア: 単行本この商品を含むブログを見るインターネットによって比較的国…

『大泉エッセイ 僕が綴った16年』と水曜どうでしょうの面白さの本質について

大泉エッセイ 僕が綴った16年 (角川文庫)作者: 大泉洋出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー発売日: 2015/04/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る2015年も後半戦になってお前は何を言っているんだと思われるかもしれないが最近水曜…

権力の劣化が世界を変えている──『権力の終焉』 by モイセス・ナイム

権力の終焉作者: モイセス・ナイム,加藤万里子出版社/メーカー: 日経BP社発売日: 2015/07/16メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る本書は主張していること自体はシンプル=権力の劣化が世界を変えている/ながらも、それが現状をごくごく簡単に…

BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす by 溝口彰子

BL進化論 ボーイズラブが社会を動かす作者: 溝口彰子,中村明日美子出版社/メーカー: 太田出版発売日: 2015/06/06メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見るBLがどのような機能・効果をもって生まれ、受け入れられ、またどのような…

村上さんのところ by 村上春樹

村上さんのところ作者: 村上 春樹,フジモトマサル出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2015/07/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (1件) を見る村上さんのところ、という小説家の村上春樹さんが2015年の1月15日から5月13日までの間に寄せ…

映画の「現在」──『映画時評 2012-2014』 by 蓮實重彦

映画時評 2012-2014作者: 蓮實重彦出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/07/09メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る日記的にだらっと書かせてもらう。批評なるものにほとんど興味がなく、映画も映画館で年に2〜3本見るほかは借りてく…

(面白さ)の研究 世界観エンタメはなぜブームを生むのか (角川新書) by 都留泰作

面白さというのは基本的には主観的なものであり、「何が面白くて」「何が面白く無いのか」と分類するのは脳科学的な研究でもなければ随分難しいことだ。プロット等の構造的な部分については、受け手側の体験から切り離してある程度穴などをチェックできるか…

殊能将之 読書日記 2000-2009 The Reading Diary of Mercy Snow by 殊能将之

僕は正直なところ殊能将之さんの作品を一つも読んだことがないし、本書の元になっている「Mercy Snow official homepage」も本書が出る前は存在すら知らなかった。殊能将之作品を読んだ時の思い出話とか、彼の小説本と本書の関連を論じるとか、なんにもない…

文系の壁 (PHP新書) by 養老孟司

久々に新書。なんか五年ぐらい前と比べると今の新書はどれも大変うすっぺらくつまらない上に対談本含有率が高くなって(主観的な割合だが)げんなりなのだが、本書もまた対談本である。それでも何故買ったのかといえば対談相手の一人が森博嗣さんだったからだ…

マクドナルド 失敗の本質: 賞味期限切れのビジネスモデル by 小川孔輔

マクドナルドの失敗が告げる「戦後モデル」の終わり(前篇)wedge.ismedia.jp ↑の対談記事がなかなか面白かったので、話題にあがっている本書を読んでみたのだが、なるほどなあという感じ。マクドナルドの経営が悪化しているのは周知の事実だが、それはなぜ…

漫画編集者 by 木村俊介

つい最近戦後のミステリ史を追うことを目的に行われた名編集者へのインタビュー集が刊行されてそっちについても書いたばかりだが、今度は漫画編集者へのインタビュー集だ。僕はそもそも編集者が書いた本や、編集者が受けているインタビューが好きだ。漫画編…

江口寿史の正直日記 (河出文庫) by 江口寿史

あー面白かった。江口寿史の正直日記 (河出文庫)作者: 江口寿史出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2015/06/05メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る書いている人が誰かによらずに僕はけっこう日記が好きだ。読んだ本のことも音楽のことも映画…