基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

新書

見せかけの繁栄に潜む空前絶後の社会矛盾──『「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄』

「暗黒・中国」からの脱出 逃亡・逮捕・拷問・脱獄 (文春新書)作者: 顔伯鈞,安田峰俊出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/06/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る本書は著者である顔伯鈞さんの当局から逃げ続ける逃亡記を元に、編訳者で…

映画の売り方──『ジブリの仲間たち』

ジブリの仲間たち (新潮新書)作者: 鈴木敏夫出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/06/16メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見るジブリのプロデューサー、鈴木敏夫さんが今まで「どのようにして映画を売ってきたのか」をわりと率直に語っている聞き…

人間と機械の境界を探る──『明日、機械がヒトになる ルポ最新科学』

明日、機械がヒトになる ルポ最新科学 (講談社現代新書)作者: 海猫沢めろん出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/05/18メディア: 新書この商品を含むブログを見るSR(代替現実)、3Dプリンタ、アンドロイド、AI(人工知能)、ヒューマンビッグデータ、BM…

なぜ疑似科学が社会を動かすのか

なぜ疑似科学が社会を動かすのか (PHP新書)作者: 石川幹人出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2016/02/16メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見る「なぜ疑似科学が社会を動かすのか」という書名だが、これ自体はそうそう不思議なものではない。何し…

作家・冲方丁による物語論/人生論──『偶然を生きる』

偶然を生きる (角川新書)作者: 冲方丁出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2016/03/10メディア: 新書この商品を含むブログを見るもうすぐ(3/24)マルドゥック・スクランブルをはじめとするシリーズ最新作『マルドゥック・アノニマス』の一巻が出るので…

ロボットを通じて人間を知る──『アンドロイドは人間になれるか』

アンドロイドは人間になれるか (文春新書)作者: 石黒浩出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2015/12/18メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見るロボット演劇、ロボット落語、機能を絞ることで達成目標を明確にしたロボットの数々など幅広い活動を通し…

「使命」ではなく職業的作家の「仕事」として──『作家の収支』

作家の収支 (幻冬舎新書)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2015/11/28メディア: 新書この商品を含むブログを見る作家・森博嗣さんによる作家業における全体の収支を明かした一冊になる。そもそも、いくら儲かりましたぜげへへみたいな金儲けの話…

職業がもたらす特殊な習慣や傾向──『作家という病』

作家という病 (講談社現代新書)作者: 校條剛出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/07/16メディア: 新書この商品を含むブログ (3件) を見る長年新潮社に勤め、文芸、文学界で編集者として活躍してきた校條剛さんが放つ作品ではなくエピソード集/作家評論のよ…

(面白さ)の研究 世界観エンタメはなぜブームを生むのか (角川新書) by 都留泰作

面白さというのは基本的には主観的なものであり、「何が面白くて」「何が面白く無いのか」と分類するのは脳科学的な研究でもなければ随分難しいことだ。プロット等の構造的な部分については、受け手側の体験から切り離してある程度穴などをチェックできるか…

鈴木さんにも分かるネットの未来 (岩波新書) by 川上量生

これは凄く良かった。どこかが突出して良い、コンセプトがいいというよりかは全体的に満遍なく良い。スタジオジブリの「熱風」という一般には販売されていない雑誌に連載されていたもので、「鈴木敏夫さんでもわかるように」書かれているので僕の両親(50代半…

文系の壁 (PHP新書) by 養老孟司

久々に新書。なんか五年ぐらい前と比べると今の新書はどれも大変うすっぺらくつまらない上に対談本含有率が高くなって(主観的な割合だが)げんなりなのだが、本書もまた対談本である。それでも何故買ったのかといえば対談相手の一人が森博嗣さんだったからだ…

友だちはいらない。 by 押井守

友だちはいらない。(TV Bros.新書) (TOKYO NEWS MOOK 481号)作者: 押井守出版社/メーカー: 東京ニュース通信社発売日: 2015/04/30メディア: ムックこの商品を含むブログを見るぱらっとめくってみて「げ、聞き書きかよお」と思ってしまったけどめっぽう面白…

荒木飛呂彦の漫画術 (集英社新書) by 荒木飛呂彦

漫画家荒木飛呂彦による漫画術。どういう意図でタイトルをつけて、情報を与えることを意図して一コマ目を設定し、ページの割り振りを決定し、情報量をコントロールして展開していくのかを自作を使って解説しくれるめちゃくちゃ贅沢な本だ。これはあれかな、…

一本の槍──『声優魂 (星海社新書) 』by 大塚明夫

自分のやりたいことが明確に規定できている人間は圧倒的に強い。それはいってみれば覚悟がキマっているということだから。この道で生きていく、あるいは自分はこれをやる為に生まれてきたのだという強烈な「思い込み」。もちろんかみさまーが上から現れて「…

イスラーム国の衝撃 (文春新書) by 池内恵

イスラム国関連の書籍をざっと4,5冊読んだが1冊選ぶとしたらこれだな。次点としてロレッタ・ナポリオーニの『イスラム国 テロリストが国家をつくる時』はイスラム国のメディア戦略とテクノロジー、あとは世界政治の中での立位置にページを割いていてまと…

ニッポンの音楽 (講談社現代新書) by 佐々木敦

佐々木敦さんによる1960年代末から現在にまで至る日本のポップミュージックの歴史をおった一冊。歴史をおったっつってもそこには何百何千というアーティストの列があるわけで、すべての動きを追っていったら年表出来事羅列形式でもない限り新書一冊におさめ…

昆虫はすごい (光文社新書) by 丸山宗利

昆虫はすごい。昆虫がいなけりゃあ繁殖できない植物がいっぱいある。生態系のかなめだ。昆虫自身の繁殖方法も多様で、繁殖が終わった瞬間にメスの餌になってしまったり、遺伝子を混合させずに自分と同じ遺伝子を持った子孫を残す種がいたり、自分の種を別の…

なぜローカル経済から日本は甦るのか (PHP新書) by 冨山和彦

アベノミクスによるトリクルダウンの効果を非常に一面的に見積もっているのではないかとか、貿易赤字はそこまで問題じゃないでしょと思ったり、細かいところで異論があるけど発想部分は面白かったな。それは著者が学者ではなく経営コンサルタント、経営者で…

はやぶさ2の真実 どうなる日本の宇宙探査 (講談社現代新書) by 松浦晋也

現在時点で打ち上がっている可能性もあったはやぶさ2だが、現状延期中で次の予定は12月3日になっている。一応予備日として12月1〜9日までおさえ、計算しているはずなのでそのどこかでは打ち上がってくれると信じたいところだ。小惑星も天体も常に動…

孤独の価値 (幻冬舎新書) by 森博嗣

思考を自由にするために、思考をする。この『孤独の価値』を読んでいて、森博嗣さんがここ何年か出している新書群を一言で言い表すなら、こういう表現が良いのではないかと思った。たとえば昨年出版された「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書) - 基…

江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 (星海社新書) by 原田実

本書『江戸しぐさの正体 教育をむしばむ偽りの伝統 (星海社新書) 』は、江戸しぐさなる、江戸時代に存在していたとされる行動哲学、商人道、共生の知恵のようなものがまったくのペテン、歴史偽造であり1980年代に発明された考え方だったことを明らかにし…

知中論 理不尽な国の7つの論理 (星海社新書) by 安田峰俊

面白かった。論点を7つに絞って、シンプルに歴史的背景から説明を重ねていくので読みやすくわかりやすい。キチガイのように見える相手の中にも、そう見えているだけで中にはまっとうな論理や、感情にいたるまでの経緯があるものだ。そうした部分を見ずに結…

医療の選択 (岩波新書) by 桐野高明

国家を考える時にそこに問題がないことはありえないが、とりあえずおおまかな分類としてエネルギーや教育、政治、地方自治に加え医療含む福祉をどう分配するのかなどは重要な論点となるだろう。本書はその中でも特に医療について我々はどのような選択肢をと…

第一次世界大戦 (ちくま新書) by 木村靖二

今でこそ「第一次」世界大戦となって世界中に知れ渡っているが当時は当然第二次がないのだから第一次もクソもなく、それどころか開戦時は今知られているような大規模な戦争に発展してしまうと考えていた人間も少なかった。戦争が起こるにいたった起点も今か…

NASA ―宇宙開発の60年 (中公新書) by 佐藤靖

NASAの宇宙施策はアポロが終わりISSの運用が始まったあと、何を目指しているのかよくわからない。無人探査を推し進めるのか? それとも有人で火星に人を送り込むのか? 送り込むとしてちょっと地面に足をつけて帰ってくるのか? 本格的に人間を「住まわせる…

生命誕生 地球史から読み解く新しい生命像 (講談社現代新書) by 中沢弘基

生命の起源。知ることができたらうれしい。あそこにいる犬も猫も、そのへんにいる雑菌もみんなみんな生きている。生きているとはまあいろいろ定義はあるがおおまかに言って自己増殖することだ。なんでこんなものが出てきたんだろう? こんな仕組みが勝手に出…

アニメを仕事に! トリガー流アニメ制作進行読本 (星海社新書 47) by 舛本和也

アニメーション制作進行くろみちゃんというアニメーション作品を見た時、あまりに過酷で、平均的な価値観が通用せず、精神を削り肉体を削り仕事をしているのでこんな仕事には絶対につきたくないものだなあと思ったものだった。くろみちゃんはその日が初めて…

非線形科学 同期する世界 (集英社新書) by 蔵本由紀

「同期」をテーマに据えた一冊。宇宙から人体、ホタルから橋まで、同期というテーマで世の中をみていくとまとまりがなさすぎて何がなんだかよくわからなくなってくる。しかしその複雑さ、一見して関連のないところに関連をみいだし世界すべてを複雑なまま理…

エピジェネティクス――新しい生命像をえがく (岩波新書) by 仲野徹

生命科学の分野で今一番気になっているのがこのエピジェネティクスの分野なのだがまだまだ関連本が少ない。この前エピゲノムと生命 (ブルーバックス) by 太田邦史 - 基本読書 が出て、今回本書も出たのでだんだん出揃ってきた感はある。ハードカバーではそれ…

社会保障亡国論 (講談社現代新書) by 鈴木亘

鈴木亘さんの本を初めて読んだのは年金について論じていた本だったか。今回は年金含め日本の社会保障費がいかにヤバイことになっているかの解説と、それについての具体的な対策を論じている。実際社会保障費はヤバイ。消費税は上がり、後退を続ける年金に明…

定年後の起業術 (ちくま新書) by 津田倫男

ちくま新書のラインナップを見ているとここ最近定年後や中高年世代の働き方に関する本が定期的に出ていることに気がつくがこれもそんな中の一冊。実際に定年後の起業を考えている人間以外には役に立つとも思えないが一応紹介しておこう。昨日の更新との絡み…

日本の雇用と中高年 (ちくま新書 1071) by 濱口桂一郎

本書はずいぶんとわかりやすく過去とこれから先を整理してくれている一冊であり、読みおえると自分の現状や行末を俯瞰してみれるなかなかの良書。 自分がまさにその只中にいるからこそ現状の日本各所で見られる労働形態には違和感ばかり募っていき、かといっ…

知の英断 (NHK出版新書 432)

知の逆転 (NHK出版新書 395) - 基本読書 の続編? といっていいものかどうかわからないが版元もインタビュアーも同じ。知の最先端というハイパー二番煎じもあったがあっちは知の最先端でなぜかカズオ・イシグロに話をききにいくなど、人選がよくわからなかっ…

荒木飛呂彦論: マンガ・アート入門 (ちくま新書) by 加藤幹郎

優れたジョジョという漫画シリーズについて大ファンである著者がその魅力を解き明かしていく構成。あらかじめ言っておくと、完全な本ではない。いちいちここで一つ一つ指摘していくこともしないが、取り上げられるポイントにどうも納得いかないところがある…

標高8000メートルを生き抜く 登山の哲学 (NHK出版新書 407) by 竹内洋岳

山に登る人の話が好きだ。小説でもノンフィクションでも映画でも変わらない。何が面白いのか考えてみたが、僕には登山に生命をかける人たちのことがぜんっぜん理解できないからかもしれない。生命をかけるというのは単なる比喩ではなく、登山家は現代とは思…

マグネシウム文明論 石油に代わる新エネルギー資源

マグネシウム文明論の「文明論」の部分はいったい何が言いたいのかよくわからないが「石油に代わる新エネルギーとしてのマグネシウム」について、その実用可能性を語った一冊。これが大変面白い。というか凄い。あんまり凄すぎると「ほんとかあ?」と疑いた…

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる

佐々木俊尚氏によるここまでの情報社会の流れをまとめましたーといった感じ。大変わかりやすくまとめられていて面白かった。「なんか最近の情報関連のことを知りたいんだけど」と訊かれたら「はい」と即座に手渡してもいいぐらいにはオススメ。キュレーショ…

巨大翼竜は飛べたのか−スケールと行動の動物学

わくわくしながら読んだ。たいへん面白いと思います。最近だと『辺境生物探訪記 生命の本質を求めて』なんかも凄く面白かった。やっぱり生物を相手に各地へ飛んでいく人たちは(南極や無人島などに本書の著者も行く)環境がすぐに変わるし、予測不可能なこと…

カラシニコフ自伝 世界一有名な銃を創った男

AK47と聞いていったいどれぐらいの割合の日本人がそれを自動小銃だと知っているのかはわかりませんが、「有名」なことは確かだと思う。僕はと言えば戦争物の小説もよく読むし、自伝も読むし、一時期FPSゲームにハマっていた時は命中精度には少し難がある…

世界史をつくった海賊

海賊。ワンピース、パイレーツオブカリビアンで半ばヒーローのように書かれるこの存在が、なぜそのようにヒーローとして描かれるのか。その社会背景が面白い。本書は主に「16世紀イギリスにおける海賊の役割」について書かれている。海賊のことなんかさっぱ…

自分探しと楽しさについて

小説をもう働く必要もないぐらいいっぱい売っている森博嗣先生の集英社新書新刊が本屋に並んでいたので思わず買ってしまった。てっきり前回の三部作で終わりだと思っていたのだが、もう一冊出すことにしたようで。いそいそと買って読んだ。題名通りそのまま…

シュルレアリスム―終わりなき革命

病み上がりで体力があまりないのでリハビリ代わりに適当に書いて短く終わらせる。「シュルレアリスム」や「シュール」といった言葉をよく聞くけれど、いったいどういう意味なのかよくわからなかったのでこの『シュルレアリスム―終わりなき革命』を読んでみま…

英語と日本語のあいだ

さいきん英語を勉強する気がまったくないのにも関わらず英語学習やらなんやらについて書いた本をもそもそと読んでいます。この本もその過程で読みました。現在のコミュニケーション英語を重視する風潮へ、「日本人英語学習者はいかようにして英語を学習する…

誰も教えてくれない人を動かす文章術

文章は何のために書くのか? この答えは様々にあるかと思いますが、本書で設定している答えは、これです。 文章は、人を動かすために書く! 文章力とは、この世を生きる力であるで超話題になっていたので読んだ。内容自体はリンク先がとても良いまとめになっ…

『英語達人塾』と『英語達人列伝』

ツイッターで茂木健一郎せんせーがこの二冊のうちのどちらかを褒めていたらしく、なんとなく読んでみた。どちらを褒めていたのかはわからないけれど、どちらも良書だと思う。『英語達人塾』の方はそのまんま、過去における日本の英語達人たちから、「英語の…

イギリス近代史講義

エピローグで著者が書いているように『近代経済史のような、社会史のような、文化史のような、何だかはっきりしない構成になっていますが*1』とっちらかって何がいいたいのかよくわからないところもあるし世界システム論という言葉が頻出するもののそれがど…

調べる技術・書く技術

もうひとつのブログの方に小説の書き出しって重要だよねーという話を書いていたらわたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいるのDainさんに書き出しに8割の力を注げという本があるよといってこの『調べる技術・書く技術』を教えてもらった。この場を…

ことばと思考

『日本語は亡びない』という本を読んだ時に「愛している」を言う時に英語では「I love you」と言い、絶対に「I」を入れなければならないが日本語ならば私は必要ではない、だからこそ日本語使用者は協調性のある人格なのだみたいなことが書いてあったけれども…

カラー版 小惑星探査機はやぶさ ―「玉手箱」は開かれた

これは凄い。はやぶさ関連書籍は多く出ていますが、最初にこれが読めて良かった。小惑星探査機はやぶさの、いったい何が凄かったのか、新しかったのか、その凄まじいミッションをクリアする為に、いったいどれだけの困難と思考錯誤と、一致団結と神頼みが必…

希望のつくり方

タイトルからも現れている「希望は与えられるものではない、自分たちの手で作り上げるものだ」という思想が希望の本質としていきなり興味深い。本書は希望学と呼ばれるものの解説的内容になっているけれど、希望学って書くとスッゴイ胡散くさいなあ(笑)。…