基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

ライトノベル

能力者達による対話篇──『製造人間は頭が固い』

製造人間は頭が固い (ハヤカワ文庫JA)作者: 上遠野浩平,サマミヤアカザ出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/06/22メディア: 文庫この商品を含むブログ (6件) を見る本書『製造人間は頭が固い』はブギーポップシリーズを筆頭として数々の作品で知られる上…

筒井康隆を軽く飛び越えていった才能──『ビアンカ・オーバーステップ』

ビアンカ・オーバーステップ(上) (星海社FICTIONS)作者: 筒城灯士郎,いとうのいぢ出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/03/16メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るビアンカ・オーバーステップ(下) (星海社FICTIONS)作者: 筒城灯士郎,…

『ストーカー』×実話怪談×百合──『裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル』

裏世界ピクニック ふたりの怪異探検ファイル (ハヤカワ文庫JA)作者: 宮澤伊織,shirakaba出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/02/23メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る当たり前のように怪異が存在し現実とは異なる空間が広がる、何が起こる…

才能との向き合い方──『りゅうおうのおしごと!』

りゅうおうのおしごと! (GA文庫)作者: 白鳥士郎出版社/メーカー: SBクリエイティブ発売日: 2015/09/25メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るこの『りゅうおうのおしごと!』は農業高校の学生生活を描く『のうりん』シリーズなどで知られる白鳥士郎さ…

アメリカ視点のニッポンテーマ小説群──『ハーン・ザ・ラストハンター: アメリカン・オタク小説集』

ハーン・ザ・ラストハンター: アメリカン・オタク小説集 (単行本)作者: ブラッドレー・ボンド,杉ライカ,本兌有出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2016/10/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (2件) を見るこれは果てしなく胡散臭い本だ…

怪奇幻想、時間SF、ハンティングアクション──『人類は衰退しました: 未確認生物スペシャル』

人類は衰退しました: 未確認生物スペシャル (ガガガ文庫 た 1-20)作者: 田中ロミオ,戸部淑出版社/メーカー: 小学館発売日: 2016/09/16メディア: 文庫この商品を含むブログを見る『人類は衰退しました』が1〜9巻で終わり、短篇集が一冊出て、これで終わりかと…

数学はやり続けるに値する暇つぶしなのか──『青の数学』

青の数学 (新潮文庫nex)作者: 王城夕紀出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/07/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る『天盆』でファンタジーを、『マレ・サカチのたったひとつの贈物』ではSFを描いてきた王城夕紀さんの三作目は、前二作に…

無情で凄惨なSF異能バトル──『筺底のエルピス』

筺底のエルピス (ガガガ文庫)作者: オキシタケヒコ,toi8出版社/メーカー: 小学館発売日: 2014/12/18メディア: 文庫この商品を含むブログ (7件) を見る著者のオキシタケヒコさんは第3回創元SF短編賞にて優秀賞を受賞した作家である。そのまま創元で何か出…

可能性の世界──『僕が愛したすべての君へ/君を愛したひとりの僕へ』

僕が愛したすべての君へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-1)作者: 乙野四方字,shimano出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/06/23メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る君を愛したひとりの僕へ (ハヤカワ文庫 JA オ 12-2)作者: 乙野四方字,shimano出版…

巨大人型アーマーを用いた宇宙空間チームバトル──『ストライクフォール』

ストライクフォール (ガガガ文庫 は 5-1)作者: 長谷敏司,筑波マサヒロ出版社/メーカー: 小学館発売日: 2016/06/17メディア: 文庫この商品を含むブログを見る2014年に出た『My Humanity』で日本SF大賞を受賞した長谷敏司さんの2年ぶりの新刊となる。まずそ…

戯言シリーズがアニメ化ですってね。『人類最強の純愛』

人類最強の純愛 (講談社ノベルス)作者: 西尾維新,竹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/05/07メディア: 新書この商品を含むブログを見る言わずと知れた西尾維新、そのデビュー作である〈戯言シリーズ〉のスピンオフである最強シリーズ第2作目である。とは…

変身ヒーロー meets モンスターハンター──『生存賭博』

生存賭博 (新潮文庫nex)作者: 吉上亮出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/04/28メディア: 文庫この商品を含むブログを見る『パンツァークラウン フェイセズ』三部作によって読者側からしてみれば新人賞をとったわけでもないのに「いったいぜんたいどこから…

未曾有の惨劇が展開する激動の第二巻──『セルフ・クラフト・ワールド 2』

セルフ・クラフト・ワールド 2 (ハヤカワ文庫JA)作者: 芝村裕吏出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/04/22メディア: 新書この商品を含むブログを見るあの芝村裕吏が仮想世界ゲーム物を書くと聞いて(読んで)大興奮しながら1巻を読んだものだが、いやはやこ…

TCGプレイヤ視点の能力バトル物──『悲亡伝』

悲亡伝 (講談社ノベルス)作者: 西尾維新出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/11/25メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見る2段組ノベルスで平然と500ページを超えてくるあのシリーズがかえってきた。壮大にして膨大にして長大な四国編が終わったか…

山田風太郎系能力バトル物の極北──『ダンゲロス1969』

ダンゲロス1969作者: 架神恭介出版社/メーカー: なし発売日: 2015/10/12メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るこれはまたえらい小説が出てしまったものだ。ガンガン人が死ぬ、敵の能力を読み合って、チンコやマンコを武器に戦う異常な能力者たちの物…

ソシャゲ☓仮想通貨☓世界征服──『世界創造株式会社 1』 by 至道流星

世界創造株式会社 1 (星海社FICTIONS)作者: 至道流星,はしま出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/08/18メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 至道流星という作家が何を書いてきたのか 羽月莉音の帝国 - 基本読書huyukiitoichi.haten…

ファンタジー×就活──『犬と魔法のファンタジー』 by 田中ロミオ

犬と魔法のファンタジー (ガガガ文庫 た 1-19)作者: 田中ロミオ,えびら出版社/メーカー: 小学館発売日: 2015/07/17メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る田中ロミオがファンタジーを書くという。かねてよりの田中ロミオファンは誰もが「それが真…

我もまたアルカディアにあり by 江波光則

新しい衰退の手触り。未来世界を、人体と価値観の変容を、世界が衰退していく様を派手派手しく演出するのではなく、ただそれは当たり前に起こる日常的な出来事の一つであり、特段不思議なことでもなんでもないといった独特な距離感を保ってこの世界は描かれ…

十二大戦 by 西尾維新

十二大戦作者: 西尾維新,中村光出版社/メーカー: 集英社発売日: 2015/05/19メディア: 単行本この商品を含むブログを見る能力バトルは死んで欲しいというのが僕のささやかな願いである。それも、もたもたとためらわせて演出たっぷりに死ぬんではなく、あっさ…

明日の狩りの詞の by 石川博品

主にライトノベル・レーベルで活躍する石川博品さんだが同人誌で出した四人姉妹百合物帳を星海社文庫から出したことが縁になったのか、星海社から続けて本を出すことになったようだ。それが本書『明日の狩りの詞の』。なんと宇宙人が地球にやってきた以後の…

忘却のレーテ (新潮文庫nex) by 法条遙

断言する、読み終えた後に貴方は最初から読み直す! とかもう一度観たくなる! とかいう煽り文句がたまにある。本書の場合はちょっと違って、読み終えた後に「後ろから読み通したくなる」という意味で特異な作品だ。本書『忘却のレーテ』は、昨年単行本で出…

人類最強の初恋 (講談社ノベルス) by 西尾維新

人類最強の初恋 (講談社ノベルス)作者: 西尾維新,竹出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/04/23メディア: 新書この商品を含むブログ (1件) を見るシンギュラリティ系のSFでは進化した人工知能なりロボットなりが現れて人間が仕事をしなくても生きていけるよ…

「作戦検討型」能力バトル物の極北──『悲録伝』

物語シリーズが『終物語』なんていういかにも終わります的な書名が出てきたにも終わらず、『続・終物語』が出ても尚終わらなかった時に「ああ、この世に絶対なんてものはないんだし、西尾維新はその類まれな執筆速度と引き換えに神は物語を終わらせる能力を…

独創短編シリーズ (野﨑まど劇場 && 野崎まど劇場(笑) ) (電撃文庫) by 野崎まど

諸君らはこんなブログを読んでいるぐらいだから「小説とはなにか」と聞かれたらせせら笑いながら「こいつ、小説もわからねえのか、カスが」ぐらいは言ってのける存在であると僕は考えているが、実際問題「小説とは、どこからどこまでのことを小説と呼称する…

人類は衰退しました 平常運転 (ガガガ文庫) by 田中ロミオ

シリーズの物語的な完結巻である第九巻発刊時のあとがきで触れられていた短篇集がついに出た。書き下ろしは4割ほどで、残りはアニメのBD/DVD用に書き下ろされた短編を収録したものになる。書き下ろしは時系列を巻き戻して〜というわけでもなく普通に第九巻…

四人制姉妹百合物帳 (星海社文庫) by 石川博品

これは面白かった。ただ……表現しづらい面白さだ。面白いのは確かだが、ぼかぁいったいこれのどこにこれほどの感銘をうけたのだろうか、それがいまいちわからない。いや、「どこに」なら正確にわかっていると言えるのかもしれない。本書は職業小説家である石…

掟上今日子の備忘録 by 西尾維新

絵VOFANに講談社からの西尾維新新シリーズ、しかも西尾維新初の電子書籍配信と紙の書籍同日発売、それにくわえて西尾維新の前作である続・終物語に本書のプロローグがついてきたとなれば、「ああ、講談社は第二の物語シリーズを求めているのだなあ、うりうり…

悲業伝 by 西尾維新

普段こうしたシリーズ物の一冊はシリーズ完結した時に総評としてあげるのが常なのですが、このシリーズは最初から一巻ごとに感想をあげているので今回も一応書いておきます。とはいえ完全に続き物の中の一冊であることもあり、未読の方は読まないでしょうけ…

人類は衰退しました by 田中ロミオ

ゆるふわな絵柄を身にまとい、起こる事件はどれも超常現象、超常テクノロジーに支えられめちゃくちゃな事態に発展し、語り手である少女は翻弄される。ただしあらゆる要素が軽い、ユーモアあふれる文体に包まれている。文体と絵柄によりかわいく、ゆるく包ん…

SFマガジン2014年6月号のジュブナイルSF特集について

面白い特集だった。普段は買わない雑誌でも特集が気になるとつい買ってしまうね。メインの一つとして取り上げられている魔法科高校の劣等生をWeb版から読んでいたこともある。いくつか面白かったところをピックアップして、雑記みたいな感じで思ったことでも…