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基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

文字の起源を問う──『最古の文字なのか? 氷河期の洞窟に残された32の記号の謎を解く』

最古の文字なのか? 氷河期の洞窟に残された32の記号の謎を解く作者: ジェネビーブボン・ペッツィンガー,Genevieve von Petzinger,櫻井祐子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/11/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る我々は当たり前のよ…

人間が他の動物に与えてきた危害の歴史──『動物・人間・暴虐史: “飼い貶し”の大罪、世界紛争と資本主義』

動物・人間・暴虐史: “飼い貶し”の大罪、世界紛争と資本主義作者: デビッド・A.ナイバート,David A. Nibert,井上太一出版社/メーカー: 新評論発売日: 2016/07/29メディア: 単行本この商品を含むブログを見る疑問点もいくつか湧くが、指摘/主張としては興味…

きっと宇宙にまで連れて行く──『ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥』

ニワトリ 人類を変えた大いなる鳥作者: アンドリュー・ロウラー,熊井ひろ美出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2016/11/17メディア: 単行本この商品を含むブログを見る地球上には200億羽以上のニワトリが生息していて、猫と犬と豚と牛の数を合計しても…

天才を地理から理解する──『世界天才紀行 ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで』

世界天才紀行――ソクラテスからスティーブ・ジョブズまで (ハヤカワ・ノンフィクション)作者: エリック・ワイナー,Eric Weiner,関根光宏出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/10/21メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る天才はいつだ…

幽霊を見るとき実際には何を見ているのか──『幽霊とは何か──500年の歴史から探るその正体』

幽霊とは何か──500年の歴史から探るその正体作者: ロジャー・クラーク,桐谷知未出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2016/07/25メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る書名だけだとどういう本なのか掴みきれず、おそるおそる読み始めたのだが、…

虚構が起こした革命──『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』

サピエンス全史(上)文明の構造と人類の幸福作者: ユヴァル・ノア・ハラリ,柴田裕之出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/09/08メディア: 単行本この商品を含むブログを見るサピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福作者: ユヴァル・ノア・ハラリ,柴田…

ゲームと共に育ってきた人たちへ──『現代ゲーム全史 文明の遊戯史観から』

現代ゲーム全史 文明の遊戯史観から作者: 中川大地出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/08/24メディア: 単行本この商品を含むブログを見るいやーこれはもうすさまじい力作で、ノンフィクションとしては間違いなく今年ベスト。現代ゲーム史として傑作なの…

人間はどのように世界のことを知ろうとしてきたか──『この世界を知るための 人類と科学の400万年史』

この世界を知るための 人類と科学の400万年史作者: レナードムロディナウ,Leonard Mlodinow,水谷淳出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/05/17メディア: 単行本この商品を含むブログを見るつい先日『科学の発見』という、過去の科学者にたいして「科学…

千年の時をかけた義経の視点から振り返る義経記──『ギケイキ:千年の流転』

ギケイキ:千年の流転作者: 町田康出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/05/12メディア: 単行本この商品を含むブログを見る本書『ギケイキ:千年の流転』は町田康によって書かれた義経紀である。時代/伝奇小説である。といえば、町田康の作風を知る人か…

歴史の分岐点を丹念に切り取ったノンフィクション──『パリは燃えているか?』

パリは燃えているか?〔新版〕(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者: ラリー・コリンズ,ドミニク・ラピエール,志摩隆出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/02/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見るパリは燃えているか?〔新版〕(下) (ハ…

空前絶後のひと夏が始まろうとしていた──『アメリカを変えた夏 1927年』

アメリカを変えた夏 1927年作者: ビルブライソン,伊藤真出版社/メーカー: 白水社発売日: 2015/10/23メディア: 単行本この商品を含むブログを見る時代というものはゆるゆると移り変わっていくものだが、時として特異点的に、スイッチのオンとオフを切り替える…

印刷が変えた人々の日常──『印刷という革命:ルネサンスの本と日常生活』

印刷という革命:ルネサンスの本と日常生活作者: アンドルー・ペティグリー,桑木野幸司出版社/メーカー: 白水社発売日: 2015/08/20メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る主に15、16世紀を舞台に人々の生活をいかにして印刷が変えていったのかを…

食に存在する普遍コードを探求せよ──『ペルシア王は「天ぷら」がお好き? 味と語源でたどる食の人類史』

ペルシア王は「天ぷら」がお好き? 味と語源でたどる食の人類史作者: ダン・ジュラフスキー,小野木明恵出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/09/17メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見るいやーこれは面白かったな。邦題だけだとペル…

文明がもたらした危機──『人体600万年史:科学が明かす進化・健康・疾病』

人体600万年史(上):科学が明かす進化・健康・疾病作者: ダニエル・E・リーバーマン,塩原通緒出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/09/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る人体600万年史(下):科学が明かす進化・健康・疾病作者: ダニエル…

我々の日々の半分は地球の暗い部分で過ぎる──『失われた夜の歴史』

失われた夜の歴史作者: ロジャー・イーカーチ,樋口幸子,片柳佐智子,三宅真砂子出版社/メーカー: インターシフト発売日: 2015/01/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見るじっくりと考えてみるまでもなくこの世界において夜は──「半分」を占めて…

合理的理由でもって削がれてゆく耳鼻──『耳鼻削ぎの日本史』

世界の辺境とハードボイルド室町時代作者: 高野秀行,清水克行出版社/メーカー: 集英社インターナショナル発売日: 2015/08/26メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る世界の辺境と中世日本ってよく似てるよねというシンプルな着想から始…

いま、目の前で変わりつつある歴史──『双生児』 by クリストファー・プリースト

双生児(上) (ハヤカワ文庫FT)作者: クリストファー・プリースト,古沢嘉通出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/08/21メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る双生児(下) (ハヤカワ文庫FT)作者: クリストファー・プリースト,古沢嘉通出版社/メーカ…

太平洋戦争全史──『大日本帝国の興亡』 by ジョン・トーランド

大日本帝国の興亡〔新版〕1:暁のZ作戦 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者: ジョン・トーランド,John Toland,毎日新聞社出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/06/04メディア: 文庫この商品を含むブログを見る全5巻にわたって太平洋戦争の発端から結…

玩物双紙 by 新城カズマ

歴史は人の手によって書かれていくものだから、文字情報だけに頼って我々が歴史を概観すると「歴史の勝者の情報操作」に抵抗することは困難になってしまう。勝者はいかようにも歴史を書き換えられるのだから。ただし、それも言葉だけのこと。人の語る歴史を…

泣き虫弱虫諸葛孔明 by 酒見賢一

第四部を読んでいてもたってもいられなくなったので、この類まれな傑作三国志小説について、簡単なシリーズ総評を書いておく。シリーズは現在まだ続く。第一部、第二部は文庫化済みであり、第三部はまだ。第四部は今日出た。 酒見賢一が獲得した新しい語りの…

エウロペアナ: 二〇世紀史概説 (エクス・リブリス) by パトリクオウジェドニーク

僕が普段よく行く、平日の12;00〜14;00に来た人は500円でカットしてもらえるという10分カット真っ青の激安髪切り屋では切り終わった後必ず「髪すいときますか」と聞いてくる。すいとくってなんやねん、すいとくことによるメリットとデメリットを提示せえや…

島津戦記 by 新城カズマ

戦国時代の戦記物に人が求めるのはなんであろうか。有名な合戦の臨場感のある描写、キリキリと胃が痛くなってくるような一瞬の判断の描写、人間があっけなく死んでいく中での別れの切なさや当時独特の価値観、一つ一つの合戦を超えた自国の行末を思う気持ち…

第一次世界大戦 (ちくま新書) by 木村靖二

今でこそ「第一次」世界大戦となって世界中に知れ渡っているが当時は当然第二次がないのだから第一次もクソもなく、それどころか開戦時は今知られているような大規模な戦争に発展してしまうと考えていた人間も少なかった。戦争が起こるにいたった起点も今か…

音楽の進化史 by ハワードグッドール

音楽というのは我々の身近にあるものであって、なんだかずっと前から音楽は音楽として存在していたかのようにすら思ってしまう。ゆえに音楽がいったいいつから、どのように変化をしてきたのだろうと考えすらしない人がほとんどであろう。音楽技法がまだほと…

バウドリーノ by ウンベルト・エーコ

エーコによる歴史小説。皇帝フリードリヒ二世の養子として数多の冒険に出かけ持ち前の嘘をもっともらしく語る能力によって自分たちの都合のいい事象を現実と混同させてきた男が最後に語る人生録が、この『バウドリーノ』という本になる。バウドリーノは歳を…

神雕剣侠 by 金庸

射雕英雄伝 by 金庸 - 基本読書の続編にあたる。登場人物が半分ぐらい共通していて十数年後という位置づけ。主軸は射雕英雄伝の主役たちの子供世代にうつっているので、本シリーズから呼んでも特に問題はないが、あまりお勧めはしない。その広がりと深さを増…

射雕英雄伝 by 金庸

金庸作品の中でもとりわけ評価の高い『射雕英雄伝』を読んだ。金庸とは中国語圏では一番といってもいいぐらい知名度の高い今尚生存中の作家で、作品はゲームにドラマと何度もメディアミックスされている。武侠小説と呼ばれる日本の時代小説と伝奇小説をミッ…

ハドリアヌス帝の回想 by マルグリット・ユルスナール

大震災が起こった時に、だれもそれを「たいしたことなかったね」という人がいないように、芸術のような価値判断の決まったものさしが存在しない分野でも、誰もが足を止め隅々まで制御の行き届いた、それでいて常に想像の範囲外に逸脱しつづけていくような、…

史論の復権 (新潮新書) by 與那覇潤

『史論の復権 (新潮新書) 』などとやたらと大層な書名がついていて身構えてしまう。が、中身はただの対談集(対論集と記載があるが)である。7人との対談が収録されているがそのうちラスト3つはドラマや映画の話をしているので(歴史にある程度関係がある…