基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

零崎人識の人間関係

「人間関係」というヤツは、なかなか厄介なもので、世の中の問題の大半はほとんどここに集約されてしまうんではなかろうかという気がする。生まれたときから親との関係が始まって、周りから人間がいなくなることは基本的にあり得ない。まあそれでも人間とい…

条件を限定した方が想像しやすい

少し前の話。本屋で適当に手に取った雑誌に村上春樹のエッセイが載っていて、それが「おお、なるほど」と感心するような内容だった。それはどんな内容なのかというと、村上春樹が遭遇した乞食の話である、であったと思う。何分本物が手元にあるわけではない…

百瀬、こっちを向いて。

いきなり内容に関係が無いタイトル語り これはまずタイトルが素晴らしいですよ、といきなり本の内容とは関わりの無いタイトル語りから始まりますが、そうはいっても本を読む際に一番最初に読者がインプットする情報はこれはもうタイトルをおいて他にないわけ…

ただのオタクの行き着いた先──メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット

ノベライズ。それはすでに存在する物語を、小説として語り直したもの。本来の小説が、0から1を生みだすものだとするのならば、ノベライズはすでに100だか70だか60だかになっているものを、また別の形で引き継ぐ形になる。だからか、ノベライズの本…

「大森望のSF漫談」番外編  「伊藤計劃Project Goes on...」に行ってきたよ

SF

簡易レポです。翻訳者だったり書評だったりと幅の広い仕事をしている大森望氏と、元SFマガジン編集長の塩澤快浩氏の二人が伊藤計劃について語る、という内容。一時間程度のモノでしたが、円城塔氏が周りをうろうろしていたり、篠房六郎氏が現れたりと面子的…

喜劇の大傑作──犬は勘定に入れません−あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎

SF

話の枕 コニー・ウィリス作品を読んだのは『航路』に続いて二冊目。『航路』にて受けた衝撃が忘れられずに、即座に手を伸ばしたのがこの『犬は勘定に入れません』。『航路』が「死」を真面目に扱ったテーマ性と、死の解明という謎で娯楽性の相乗効果を生みだ…

シャーロック・ホームズを見た!

いやーえがったですよ。シャーロック・ホームズ像というものを、わたしも原作読んだことないくせにいっちょまえに持っていたんですが実際に映像として現れたのはまったくの別物。え、これはどうなの? 本当のシャーロックホームズなの? どこから映画設定な…

押井守は「映画」だ、その理由──勝つために戦え

勝つために戦え!〈監督篇〉作者: 押井守出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2010/02/26メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 14人 クリック: 134回この商品を含むブログ (34件) を見る 押井守の『アヴァロン』に対して伊藤計劃は『押井守は「映画」だった』…

おれは世界を変える気で書いてるんだよ──伊藤計劃記録

『虐殺器官』と『ハーモニー』という読者の中に新たな回路を開発してしまうような二つの傑作を残して亡くなってしまった伊藤計劃氏の一周忌に、遺稿集である『伊藤計劃記録』が発売されました。いくつかの短編と、様々な媒体に寄稿されたエッセイ、評論、イ…

2010年15号ジャンプ感想(まだ途中)

ワンピース 黒ひげさんは本当に頭が悪いなあ。ヤミヤミがどれだけ凄いのかいまだによくわからないけれども、「この世の全てを思い通りにできそうだ!!!」は明らかに言いすぎであろう。ついさっきまでその力持っていた本人も、やられちまったんだぜ。自慢して…

とある科学の超電磁砲全24話を観終えて

いやはや……。面白いアニメでした。今さっき最終回を観て、興奮しながらこれを書いています。眠い! あらすじなどはこっちで⇒とある科学の超電磁砲<レールガン>を13話まで観たよ。 - 基本読書これぐらい頑張って観たのは、久しぶりのアニメ作品だったかも。…

ジャンプの人気マンガ家37人に創作方法を聞いた『マンガ脳の鍛えかた』を読んだよ

これは面白い! 普段あまり表に出てこない漫画家が、創作のやり方や、絵の描き方、道具、オリジナリティの出し方などをガンガン語ってくれています。最初は37人もインタビューして、一人一人の文字数が極端に少ないおざなりなものになってないかな? と疑問…

面白い物語とは何か?──『思考する物語』

SF論を扱った本書。なぜSFはこんなに面白いのか? そのカギは、「センスオブワンダー」にあるのではないか? だとしたら「センスオブワンダー」とは何か? よく同じものだといわれるファンタジーとSFの違いは何か? いったいどういう過程でSFは発生したのか…

2010年15号ジャンプ感想

はじめてからすぐに終わってしまったわたしのジャンプ感想ですが……。最近またジャンプが面白いので感想を書く。ただこれって結構疲れるので(じーっと読み返したり、頭をひとつひとつ漫画ごとに切り替えなくちゃいかんので)また飽きたらやめます。

ロケットが飛んで、おもしろくないはずないだろうが!──ほうかごのロケッティア

『ぼくらの』のノベライズや『勇者と探偵のゲーム』を書いていた大樹先生の、ガガガ文庫では初めてのオリジナル作品。高校生がスクールカーストの中であがきながら、恋をしたりロケットを宇宙まで打ち上げようと頑張ってひゃっほーいい!! というお話。舞台…

ぷりるん。―特殊相対性幸福論序説

びっくりした。同作者の作品は、『薔薇のマリア(それも途中まで)』しか読んでいなかったので、「こんなんも書けたのか!」と。まあでも考えてみれば、薔薇のマリアもこんなような話だったっけか。適当なことを言えばファンタジーを現代に移し替えただけ、…

娯楽とテーマ、その幸福な両立──航路

SF

傑作すぎて涙が止まらない。この数年読んだ中でも、これ程腰を据えて泣かせてくれた作品はなかった。 コニー・ウィリス “航路” - three million cheers. さんの書評を見て、へー面白そうだなーぐらいの軽い気持ちで手に取ったら、不意打ちとしか言いようがな…

ハートロッカーをみたよ

おもしろかったー! これは大大大傑作。イラク戦争を舞台にした映画はすでにありますが、イラク戦争の中でも「最も死亡率が高い」といわれる爆弾処理班をテーマに撮ったのはこのハートロッカーが初めてでしょう。派手な銃撃戦はなく、いつ命が奪われるかわか…

モダンタイムス

伊坂幸太郎の『モダンタイムス』めちゃくちゃ面白かったです。個人的に読んだ伊坂作品の中では、もう一番好き。『あるキング』と『SOSの猿』は読んでいないけれど。モダンタイムスは『魔王』から何十年後かの世界で、リンクしている部分もあるけれど基本的に…

天冥の標 2 救世群

SF

小川一水が書くパンデミックSF。201X年、謎の疫病が世界中に蔓延する。致死率は90%を超え、感染率はインフルエンザの8〜9倍というほとんど絶望的な状況の中で翻弄される人間たちが描かれる。通常考えられないような状況に叩き込まれた人間たちが、必死に抵…

小川一水のワンピース!!(全力を注ぎこんだ的な意味で)──天冥の標〈1〉―メニー・メニー・シープ

SF

や、やべーーーーー!!! 天冥の標、めちゃくちゃおもしれーーー!! 読みながら何度もやべーーーーー!!! と思っていたが、読み終わった時もやっぱりやべーーーー!! と絶叫した!(ついったーで)。読み終えたときには、思わずこの作品がたどり着くで…

絵の練習をしている。

少し前から地味に絵の練習をしております。わたしの今の画力は皆無といってよく、棒人間すらまともに書けないのだけれど、それでも練習しています。周囲の人間に絵を書いているというと、「え? なにそれ冗談なの? バカジャナイノ?」とパターンにはめられ…

ライトノベル版三国志!?──ミスマルカ興国物語を読んだよ

ついったーで佐倉レキ (sakurareki) on Twitterさんに「ミスマルカ興国物語っていうライトノベルが三国志っぽいですよ」と教えてもらいました。そんなことを言われてしまったら、読むでしょう。感想を言うと、凄く面白かったです。面白かった中でも、三国志…

何も起こらないという奇跡──ゆゆ式

ツイッターでみんなが読んでいて、面白い面白いとわいわいしていたので思わず買ってきてしまいましたよ。この『ゆゆ式』言ってしまえば「女子高を舞台にした女の子達の萌え系四コマ」という最近世間に溢れかえっているように感じられるお話の一つなのですが…

「sfは置いてきた。俺の戦いにはついてこれそうにないからな」──グレッグ・イーガン『ディアスポラ』を読んだよ

SF

『ディアスポラ』は「イーガンはほとんど独力で現代SFの最先端を支えている」と大森望氏に言わせるほどのSF作家、イーガンがたどり着いた極致、といえるでしょうね。ここまで思考を徹底して、未来へ、人間から遠く離れた部分へと飛ばすことができるのは、他…

臨機応答・変問自在〈2〉

森博嗣による大半の本は楽しめるわたしですが、これはちょっと微妙でした。内容は、小説家の森博嗣が、読者の方から送られてきた数々の質問に対して細かく答えていくというもの。が、全体的に質問がくだらなすぎてなんだかげっそりしてしまいます。ググレ、…

現状のSF界をワンピースに当てはめると……(ネタバレあり)

なんか現状のSF界をワンピースに適当に当てはめるとちょうおもしれーぜ! と友人と話していたらやっぱりなかなかおもしろかったので勝手に書いてみる。そういえばSF界にはこんなような石川喬司の笑い話もありましたな。 日本SF界の黎明期を表現する「SFとい…

大森望のSF翻訳話を気になったとこだけ文字にした。

翻訳の裏ワザ 業界の裏話 どうしたら翻訳家になれるのか。などを話している第133回『大森望のラジカントロプス2.0』【ネット版】公開!: ラジカントロプス2.0 | AM1422kHz ラジオ日本 を聞いていたらなんとなく文字にしたくなったので文字にしてみたり。そん…