基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

森博嗣全シリーズレビュー

編集:森博嗣──『MORI Magazine』

MORI Magazine作者: 森博嗣出版社/メーカー: 大和書房発売日: 2017/07/23メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る『MORI Magazine』は森博嗣さん編集の雑誌──という体裁の書籍である。分類的にはエッセイ本になるだろうが、他にもインタ…

超高度AIと人類の思考戦闘──『青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light?』

青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light? (講談社タイガ)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/06/21メディア: 文庫この商品を含むブログを見る細胞を入れ替えることで寿命を飛躍的に延ばし、その代わりに子供が生まれなくなった…

これから、どんどん楽しいことがありますよ──『ダマシ×ダマシ』

ダマシ×ダマシ (講談社ノベルス)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/05/08メディア: 新書この商品を含むブログを見る久しぶりのXシリーズ新刊にして、シリーズ最終巻。シンプルにしてレトロ、なのにどこか新しさを感じさせる、そんなシリーズ…

生命の再定義──『私たちは生きているのか? Are We Under the Biofeedback?』

もちろん本書の核となるのは科学だが、科学のあらゆることが始まったとき、私はこうした豊かで活気にあふれ、いろいろなものが混ざり合った世界に住んでいた。家族からも、カルテックの比類ない神秘的な雰囲気から、カルテックの人々から、ロサンゼルスとそ…

まだ見ぬ社会へ──『デボラ、眠っているのか? Deborah, Are You Sleeping?』

デボラ、眠っているのか? Deborah, Are You Sleeping? (講談社タイガ)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/10/19メディア: 文庫この商品を含むブログを見る読みながら呆然としてしまった。こんなにおもしろい作品がこの世にあっていいのか……? …

被創造物が創造者となる時──『風は青海を渡るのか? The Wind Across Qinghai Lake?』

風は青海を渡るのか? The Wind Across Qinghai Lake? (講談社タイガ)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/06/21メディア: 文庫この商品を含むブログを見る森博嗣さんによるWシリーズの三作目である。もともとSFとしては非常にマイナーな、細…

一人の優れたエンジニアの物語──『χの悲劇 The Tragedy of χ』

χの悲劇 (講談社ノベルス)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/05/07メディア: 新書この商品を含むブログを見る森博嗣さんによるGシリーズ第10作目。ついに10作目まできた。とはいえここから『ψの悲劇』、『ωの悲劇』と続いていく(元ネタの『…

いろいろな要因が複雑に絡んでいる──『魔法の色を知っているか?』

魔法の色を知っているか? What Color is the Magic? (講談社タイガ)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/01/19メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る人口が減少した未来社会が描かれていく森博嗣さんによるWシリーズの第二弾。 huy…

「使命」ではなく職業的作家の「仕事」として──『作家の収支』

作家の収支 (幻冬舎新書)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2015/11/28メディア: 新書この商品を含むブログを見る作家・森博嗣さんによる作家業における全体の収支を明かした一冊になる。そもそも、いくら儲かりましたぜげへへみたいな金儲けの話…

生と死、人間と非人間、その境界線上を──『彼女は一人で歩くのか?』

彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone? (講談社タイガ)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/10/20メディア: 文庫この商品を含むブログを見るついに、といったところだろうか。『彼女は一人で歩くのか?』は、講談社タイガという新レーベ…

マインド・クァンチャ - The Mind Quencher by 森博嗣

マインド・クァンチャ - The Mind Quencher作者: 森 博嗣出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2015/04/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る桜の表紙だ。書影ではいまいちピンとこないかもしれないが本として手にとって見ると驚くほど美し…

能・文楽・歌舞伎 (講談社学術文庫) by ドナルド・キーン

能・文楽・歌舞伎 (講談社学術文庫)作者: ドナルド・キーン,吉田健一,松宮史朗出版社/メーカー: 講談社発売日: 2001/05/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ (15件) を見る森博嗣さんの小説『マインド・クァンチャ』の引用本。この…

暗闇・キッス・それだけで Only the Darkness or Her Kiss by 森博嗣

スマートで面白かった。『ゾラ・一撃・さようなら』という作品と登場人物も時系列的にも連続しているが、どちらから読んでも特に問題はない。個人的にはこっちの方が好きだな。題材的にもキャラクタ的にも惹かれる要素が多い。お話を最初に簡単に説明してお…

つぼねのカトリーヌ The cream of the notes 3 (講談社文庫) by 森博嗣

今までさんざん森博嗣さんのエッセイシリーズにはいろいろ書いてきているので今更何か書くことがあるのかと言われれば別にないのだが。⇒つぶやきのクリーム the cream of the notes - 基本読書 つぼやきのテリーヌ The cream of the notes 2 (講談社文庫) by…

孤独の価値 (幻冬舎新書) by 森博嗣

思考を自由にするために、思考をする。この『孤独の価値』を読んでいて、森博嗣さんがここ何年か出している新書群を一言で言い表すなら、こういう表現が良いのではないかと思った。たとえば昨年出版された「やりがいのある仕事」という幻想 (朝日新書) - 基…

サイタ×サイタ (講談社ノベルス) by 森博嗣

Xシリーズ最新刊。レトロでシンプル。今回はあらすじだけを読むと、なかなか飛ばしているというか派手な感じ。なにしろ連続で発火現象を起こす危うい奴が街にいるのだからなんだかもうそれだけで危ない。爆弾ではなくたんに発火現象を起こしているだけだか…

ユリイカ 2014年11月号 特集=森 博嗣 -『すべてがFになる』『スカイ・クロラ』から『MORI LOG ACADEMY』まで・・・クラフトマンの機知

『すべてがFになる』ドラマ化に合わせて、ユリイカが森博嗣さん特集だった。森博嗣さん当人へのメールインタビュー、清涼院流水さんと杉江松恋さんの対談、萩尾望都さん、山田章博さん、コジマケンさん、浅田寅ヲさん、スズキユカさんのイラストエッセイがあ…

素直に生きる100の講義 by 森博嗣

100の様々な発想を元に、1発想につき見開き2ページで簡単なエッセイが書かれている本。100の講義シリーズの第三弾だ。ただ、内容につながりがあるわけでもないので別にこれから読んでも問題ない。定期的に出るので森博嗣さんの日記のように読んでしまう。内…

ムカシ×ムカシ (講談社ノベルス) by 森博嗣

古くから続く血統、お金持ちのお屋敷、探偵事務所、連続殺人……古典的な道具立てを現代的な感性で解体していくXシリーズ最新刊がついに出た。6年半ぶり。中学生だった子が大学生になり、大学生だった子はとっくに卒業して院生かサラリーマンかニートか自営業…

侍という不思議な生き物『フォグ・ハイダ』 by 森博嗣

侍というのは不思議な生き物だとこの森博嗣さんによるヴォイド・シェイパシリーズを読んでいると思う。刀を持っている。刀の機能とは置物、芸術的価値を別にすれば、人を斬ることにある。人を斬る必要がある状況とは相手が自身にとって道を阻害するものであ…

つぼやきのテリーヌ The cream of the notes 2 (講談社文庫) by 森博嗣

森博嗣さんの新刊。既に出ているエッセイ『つぶやきのクリーム』の続編という位置づけ。似たタイプの著作である100の講義〜も数えるとこの100のトピックで語る本はこれで4冊目かな?つぶやきのクリーム the cream of the notes - 基本読書 「思考」を育てる1…

魔術から数学へ by 森毅

森博嗣さんの『キウイγは時計仕掛け』という作品における引用本。元々は『計算のいらない数学入門』という題名だったそうだが、こちらの題名の方がよりピントがあっていると思う。いわく説明のつけがたい本で、一言でまとめられそうもないのだが数学エッセイ…

キウイγは時計仕掛け by 森博嗣

森博嗣さんによるGシリーズ最新刊。もう9作目だし、紹介などはしない。今回も結構なおてまえでございました。とても楽しかった。前作よりもまた少し時がとんでいて、この時間の感覚がいいな、と思う。初期の頃からすると当たり前だけどキャラクタが歳をとっ…

カクレカラクリ An Automaton in Long Sleep (MF文庫ダ・ヴィンチ) by 森博嗣

一冊完結で、僕はこれ、大好きな作品。工学を使った人間の達成における醍醐味がある。言葉は数千年残ったりするが、物理的な仕組みで人間の寿命を超えて機能させることはなかなか難しい。しかし人間が出来る範囲を超越した仕事を機械に達成させることが出来…

Zシリーズ by 森博嗣

通称Zシリーズの名で呼ばれているのは森博嗣さんによる『ZOKU』『ZOKUDAM』『ZOKURANGER』の3冊の総称。シリーズ物ではあるが、登場人物の名前とある程度の設定が共通しているだけで、3冊にお話的なつながりはない。そして内容はアン…

森博嗣全シリーズレビュー

特に誰に頼まれたわけでもなくなんとなく森博嗣作品をこの数カ月で50冊ぐらい読み返している。ただ読み返すだけではあれなので、せっかくだしこのブログでエッセイを含んだ全シリーズレビューでもやってみようかと思った。別に何かを達成したいわけでもな…

森博嗣の浮遊研究室 MORI Hiroshi's Floating Laboratory シリーズ

ひょっとしたら森博嗣作品の中でもっともマイナ(少部数)なのがこの『森博嗣の浮遊研究室 MORI Hiroshi's Floating Laboratory (ダ・ヴィンチ・ブックス)』シリーズなのではなかろうか。残念ながら文庫化もされていない。Amazonにも中古ばかりで既に新品は…

葉隠入門 (新潮文庫) by 三島由紀夫

森博嗣著であるヴォイド・シェイパから始まるシリーズの最新刊、『スカル・ブレーカ』の引用本(章の頭ごとに引用されるネタ本)だったので(この葉隠入門が、ではなく葉隠そのものが)読んでみたのですが、これがまたとんでもなくすごい。武士が小学生の頃…

「思考」を育てる100の講義 by 森博嗣

作家・森博嗣さんによる新作。こことか(常識にとらわれない100の講義 - 基本読書) こことか(つぶやきのクリーム the cream of the notes - 基本読書)で片っ端から何か書いてきたのでさすがにもう書くこともない‥‥だったら書くなよ‥‥と自問自答してしまう…

赤目姫の潮解 LADY SCARLET EYES AND HER DELIQUESCENCE by 森博嗣

すごい。なんだこれは、というのが一読しての第一印象。昨日読み終えて、今もう一度読み返してみたけれど、このすごさはなんなんだろう。連載作の単行本化だが、そのタイミングでこの作品が森博嗣さんによる「百年シリーズ」の三作目であることが判明し、ツ…