鋼鉄紅女 (ハヤカワ文庫SF)作者:シーラン ジェイ ジャオ早川書房Amazonこの『鋼鉄紅女』は中国出身で幼少期にカナダに移住した作家・ユーチューバーのシーラン・ジェイ・ジャオのデビュー長篇である(21年刊)。タイトルにも入れたが、TRIGGER&A-1制作によ…
人類の知らない言葉 (創元SF文庫)作者:エディ・ロブソン東京創元社Amazonこの『人類の知らない言葉』はイギリスの作家にして〈ドクター・フー〉などの脚本も手掛けるエディ・ロブソンによる、2022年に刊行されたSFミステリ長篇だ。近未来、テレパシー(思念…
独裁者の料理人:厨房から覗いた政権の舞台裏と食卓作者:ヴィトルト・シャブウォフスキ白水社Amazonこの『独裁者の料理人』は、その書名通りの一冊である。カンボジアのポル・ポト。イラクのサダム・フセイン。ウガンダの大統領イディ・アミン。アルバニアの…
眠りつづける少女たち――脳神経科医は〈謎の病〉を調査する旅に出た作者:スザンヌ・オサリバン紀伊國屋書店Amazonスウェーデンには「あきらめ症候群」などと称される、特殊な病が存在する。この症状があらわれると、歩いたり話したりをやめ、場合によっては目…
ギリシャSF傑作選 ノヴァ・ヘラス (竹書房文庫 ば 3-1)作者:ヴァッソ・クリストウ竹書房Amazonこの『ギリシャSF傑作選』はその名のとおり、ギリシャのSF短篇が集められたアンソロジーである。版元は竹書房。流れ的にはイスラエルSF傑作選『シオンズ・フィク…
創元SF文庫が創刊60周年ということで、創元SF文庫総解説などいろいろな企画が動いている。その流れのひとつで、ゴールデンウィークに合わせて創元SF文庫作品が中心にKindleで50%オフセールがはじまっているので、今回は僕の個人的なオススメを中心に紹介し…
鏖戦【おうせん】/凍月【いてづき】作者:グレッグ・ベア早川書房Amazonこの『鏖戦/凍月』はハードSFの巨匠にして『ブラッド・ミュージック』などの著作で知られるグレッグ・ベアの代表的中篇二つをまとめた一冊になる。グレッグ・ベアは1951年生まれの作家で…
英語は10000時間でモノになる ~ハードワークで挫折しない「日本語断ち」の実践法~作者:橋本 大也技術評論社Amazonこの『英語は10000時間でモノになる』は、長年「情報考学」というサイトで書評を書いていた橋本大也さんによる英語学習本である。英語学習本…
4/21『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』刊行記念オンライン対談 冬木糸一さん×『SFマガジン』編集長溝口力丸さんonline.maruzenjunkudo.co.jp 来週4月21日にオンライントークイベントやりますという告知をしておきます。相手はSFマガ…
文明交錯 (海外文学セレクション)作者:ローラン・ビネ東京創元社Amazonこの『文明交錯』は、スペインがインカ帝国を征服した史実を反転させ、逆にインカ帝国がスペインを征服していたら世界はどう変わっていったのかを描き出す歴史改変長篇だ。著者は『HHhH―…
会話の科学 あなたはなぜ「え?」と言ってしまうのか (文春e-book)作者:ニック・エンフィールド文藝春秋Amazon本書『会話の科学』は、会話全般に光をあて、そこにどのようなルールや傾向があるかを分析していく一冊だ。我々は会話をしている時、無意識的にそ…
アメリカへようこそ (角川書店単行本)作者:マシュー・ベイカー,田内 志文KADOKAWAAmazonこの『アメリカへようこそ』はアメリカの新進作家マシュー・ベイカーの初の短篇集の邦訳である。どうやらアメリカでは「注目すべきストーリーテラー10人」に選ばれるな…
アトラス6 上 (ハヤカワ文庫FT)作者:オリヴィー ブレイク早川書房Amazonこの『アトラス6』は著者オリヴィー・ブレイクがロースクール在学中にセルフパブリッシングで刊行したのち、爆発的に人気が出てAmazonPrimeでのドラマ化も決定している話題のファンタ…
ラヴクラフト・カントリー (創元推理文庫)作者:マット・ラフ東京創元社Amazonこの『ラヴクラフト・カントリー』はファンタジーや幻想系の作品で知られるマット・ラフによるホラー・幻想の連作短篇集となる。まだ黒人差別が色濃く残る1950年代を舞台に、黒人…
相分離生物学の冒険――分子の「あいだ」に生命は宿る作者:白木賢太郎みすず書房Amazonこの『相分離生物学の冒険』は、米国の学会では2018年からよく取り上げられるようになってきた、最新の生物学分野の研究テーマである「相分離生物学」について書かれた一般…
人類滅亡の科学 「滅びのシナリオ」と「回避する方法」作者:マーシャル・ブレイン日経ナショナル ジオグラフィックAmazonこの『人類滅亡の科学』はその署名通りに、人類の滅亡のパターンをリストアップし、それに対してどのように滅びうるのかという「滅びの…
「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門作者:冬木 糸一ダイヤモンド社Amazon はじめに 『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』という本を3月の頭に出したので、今回はそれに関連してQAでも書こうかと思って募集した質問に答…
ヒエログリフを解け: ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レース作者:エドワード・ドルニック東京創元社Amazonこの『ヒエログリフを解け: ロゼッタストーンに挑んだ英仏ふたりの天才と究極の解読レース』は、古代エジプトの象形文字である…
輝石の空 〈破壊された地球〉三部作 (創元SF文庫)作者:N・K・ジェミシン東京創元社Amazonこの『輝石の空』は、『第五の季節』、『オベリスクの門』に続くサイエンス・ファンタジー《破壊された地球》三部作の完結巻である。なんといっても注目すべきは、歴…
「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門作者:冬木 糸一ダイヤモンド社Amazon僕の初の単著『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』が本日発売。宣伝記事を書きたいのだが、内容紹介に関してはすでにしっかりとした記事を書い…
「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門作者:冬木 糸一ダイヤモンド社Amazon明日3月1日に『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』という僕の初の単著が出るのだけど、これをPRするために(すでに書いた内容紹介文とはべつに…
ガーンズバック変換作者:陸 秋槎早川書房Amazon『ガーンズバック変換』は『元年春之祭』や『雪が白いとき、かつそのときに限り』、『文学少女対数学少女』といった、ミステリ系の著作で知られる陸秋槎による初のSF短篇集である。陸秋槎は北京出身だが、そ…
もっとホワット・イフ? 地球の1日が1秒になったらどうなるか作者:ランドール マンロー早川書房Amazonこの『もっとホワット・イフ?』は、インターネット漫画家である著者の漫画をまとめたもの。数あるインターネット漫画の中でも本作の特徴は、著者ランド…
「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門作者:冬木 糸一ダイヤモンド社Amazonこのブログ「基本読書」を書いている冬木糸一です。3月1日に、『「これから何が起こるのか」を知るための教養 SF超入門』という本をダイヤモンド社から刊行すること…
習慣と脳の科学――どうしても変えられないのはどうしてかみすず書房Amazonいつも通勤や通学につかっている道は、何も考えずにも動けるぐらいには「習慣」になっているものだ。むしろいつものルートとは別の方角に行く必要がある時、そのことを忘れて「習慣」…
キドナプキディング 青色サヴァンと戯言遣いの娘 (講談社ノベルス)作者:西尾維新講談社Amazonこの『キドナプキディング 青色サヴァンと戯言遣いの娘』は『クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い』から始まる西尾維新の代表作《戯言》シリーズの正統的な続…
「こころ」はどうやって壊れるのか ~最新「光遺伝学」と人間の脳の物語作者:カール・ダイセロス光文社Amazonこの『「こころ」はどうやって壊れるのか』は、精神科医として現場に立ちながら、光を用いることで脳の活動を観測や制御を可能にする、「光遺伝学…
標本作家作者:小川 楽喜早川書房Amazonこの『標本作家』は、ハヤカワSFコンテスト、その第10回目の大賞受賞作である。著者の小川楽喜は元グループSNE所属で既刊も存在する作家だが、今回は新人賞であるSFコンテストに作品を応募し、一次選考からはじめて見事…
悪意の科学: 意地悪な行動はなぜ進化し社会を動かしているのか?作者:サイモン・マッカーシー=ジョーンズインターシフトAmazon最近、仕事中のほとんどの時間は何らかのゲーム配信(最近はLeague of Legends)を垂れ流していることが多い。人気のストリーマー…
フォワード 未来を視る6つのSF (ハヤカワ文庫SF)作者:ブレイク クラウチ,ベロニカ ロス,N K ジェミシン,エイモア トールズ,ポール トレンブレイ,アンディ ウィアー早川書房Amazonこの『フォワード 未来を視る6つのSF』は、アンディ・ウィアー、N・K…