基本読書

基本的に読書のこととか書く日記ブログです。

ミステリ

人を殺しに、少年たちは二〇〇〇マイルの旅に出る──『東の果て、夜へ』

東の果て、夜へ (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ビルビバリー,熊谷千寿出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/09/07メディア: 文庫この商品を含むブログを見る麻薬斡旋所で見張り役を任されていた15歳の少年イーストは、ふとした油断から警察のガサ入れを許…

墜落するプライベートジェット、生き残った二人のヒーローが直面する現実──『晩夏の墜落』

晩夏の墜落 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ノア・ホーリー,川副智子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/07/06メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る晩夏の墜落 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ノア・ホーリー,川副智子出版社/メーカー…

ゾンビが跳梁跋扈する世界で発生する密室殺人──『わざわざゾンビを殺す人間なんていない。』

わざわざゾンビを殺す人間なんていない。作者: 小林泰三,YKBX出版社/メーカー: 一迅社発売日: 2017/06/30メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る「全人類の長期記憶が一斉に不可能になったら」という展開を大真面目に描く『失われた過…

図書館から借り出される、書物としての探偵──『書架の探偵』

書架の探偵 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: ジーンウルフ,青井秋,酒井昭伸出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/06/22メディア: 単行本この商品を含むブログを見る本書『書架の探偵』はジーン・ウルフによる最新刊である。本国ではいつ頃刊行されたのか…

救う側は誰が救ってくれるのか──『われらの独立を記念し』

われらの独立を記念し (ハヤカワ・ミステリ)作者: スミス・ヘンダースン,鈴木恵出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/06/08メディア: 新書この商品を含むブログを見る本書『われらの独立を記念し』はスミス・ヘンダースンの長篇デビュー作。79年から81年に…

能力者たちの騙し合いゲーム、参加者は全員嘘つき──『最良の嘘の最後のひと言』

最良の嘘の最後のひと言 (創元推理文庫)作者: 河野裕出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2017/02/27メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る『サクラダリセット』の河野裕さんによる書きおろしの文庫小説である。街で起こる事件を能力者たちの力を…

正義の在り処を問う──『制裁』

制裁 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: アンデシュ・ルースルンド,ベリエ・ヘルストレム,ヘレンハルメ美穂出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2017/02/23メディア: 文庫この商品を含むブログを見る昨年(16年)大変な評判をよんだ『熊と踊れ』という犯罪小説の著…

東京創元社編集者の本語り──『ぼくのミステリ・クロニクル』

ぼくのミステリ・クロニクル作者: 戸川安宣,空犬太郎出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2016/11/17メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る北村薫、有栖川有栖、宮部みゆきなどそうそうたる面々をデビューさせ、東京創元社で編集から社長、会長…

拉致監禁された女子高生妊婦の凄惨な復讐/脱出劇──『メソッド15/33』

メソッド15/33 (ハヤカワ文庫NV)作者: シャノン・カーク,横山啓明出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/11/09メディア: 文庫この商品を含むブログを見る拉致監禁された天才女子高生の妊婦が、1ヶ月以上にわたる監禁生活で道具を一つ一つ集め、その全てを用…

怪物にだって論理は通用します──『アンデッドガール・マーダーファルス』

アンデッドガール・マーダーファルス 1 (講談社タイガ)作者: 青崎有吾出版社/メーカー: 講談社発売日: 2015/12/17メディア: 文庫この商品を含むブログ (8件) を見るアンデッドガール・マーダーファルス 2 (講談社タイガ)作者: 青崎有吾出版社/メーカー: 講談…

"議論"か、さもなくば"死"か──『十二人の死にたい子どもたち』

十二人の死にたい子どもたち作者: 冲方丁出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/10/15メディア: 単行本この商品を含むブログを見る冲方丁さんといえば〈マルドゥック〉シリーズを筆頭としたSF小説か、あるいは『天地明察』に連なる一連の時代小説、または…

『その女アレックス』に続くカミーユ警部三部作完結篇──『傷だらけのカミーユ』

傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4)作者: ピエール・ルメートル,橘明美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/10/07メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見るランキング一位や賞をとりまくり、日本では60万部を突破した『その女アレ…

善良な始末屋のジレンマ──『その雪と血を』

その雪と血を(ハヤカワ・ミステリ) (ハヤカワ・ミステリ 1912)作者: ジョー・ネスボ,鈴木恵出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/10/06メディア: 新書この商品を含むブログを見るわずか175ページほどだが、読者がすぐに惚れてしまうであろう魅力的な主人公…

類例のない銀行強盗事件──『熊と踊れ』

熊と踊れ(上)(ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: アンデシュ・ルースルンド,ステファン・トゥンベリ,ヘレンハルメ美穂,羽根由出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/09/08メディア: 文庫この商品を含むブログを見る熊と踊れ(下)(ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: …

幻想と現実を解きほぐす奇想ミステリ──『ラスト・ウェイ・アウト』

ラスト・ウェイ・アウト (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: フェデリコ・アシャット,村岡直子出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/08/24メディア: 文庫この商品を含むブログを見るハヤカワ・ミステリ文庫からの刊行だが、南米発の"奇書"という謳い文句通りに…

サヴァンの能力を結集し究極の英知を創り上げる──『叫びの館(上・下)』

叫びの館〈上〉 (創元推理文庫)作者: ジェイムズ・F・デイヴィッド,公手成幸出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2016/08/20メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る『叫びの館』という書名と、表紙のイメージからして「純ホラー作品なのかなあ」と…

それでも宇宙は廻っている──『宇宙探偵マグナス・リドルフ』

宇宙探偵マグナス・リドルフ (ジャック・ヴァンス・トレジャリー)作者: ジャックヴァンス,Jack Vance,浅倉久志,酒井昭伸出版社/メーカー: 国書刊行会発売日: 2016/06/24メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る本書は異世界SF/ファンタジーの…

二つの世界を行き来する幻想ミステリ──『クララ殺し』

クララ殺し (創元クライム・クラブ)作者: 小林泰三出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2016/06/30メディア: 単行本この商品を含むブログを見る本書『クララ殺し』は2013年に出た同著者の『アリス殺し』の姉妹編にあたる。続編といえば続編だが、登場人物が…

全人類が同時に記憶障害に陥ったら──『失われた過去と未来の犯罪』

失われた過去と未来の犯罪作者: 小林泰三出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店発売日: 2016/06/02メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 全人類の長期記憶が一斉に不可能になったら 『玩具修理者』や『アリス殺し』の小林泰三さんの新刊だが、これがも…

一人の優れたエンジニアの物語──『χの悲劇 The Tragedy of χ』

χの悲劇 (講談社ノベルス)作者: 森博嗣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/05/07メディア: 新書この商品を含むブログを見る森博嗣さんによるGシリーズ第10作目。ついに10作目まできた。とはいえここから『ψの悲劇』、『ωの悲劇』と続いていく(元ネタの『…

「科学と信仰」の葛藤を描いたオカルティックSF──『彼女がエスパーだったころ』

彼女がエスパーだったころ作者: 宮内悠介出版社/メーカー: 講談社発売日: 2016/04/20メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る主にボードゲームを扱ったデビュー作『盤上の夜』以後、新作を出す度に「今度は火星で精神医学!」「今度は音…

理知を捨てるものこそ理知を拾う──『ブラウン神父の無垢なる事件簿』

ブラウン神父の無垢なる事件簿 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: G・K・チェスタートン,田口俊樹出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/03/24メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見るあのエラリー・クイーンは、〈これまでに創造された探偵三巨人〉…

"探偵"草創期ならではの熱狂──『最初の刑事――ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件』

最初の刑事――ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)作者: ケイト・サマースケイル,日暮雅通出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/03/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る物事にはなんであれ「…

ロボット/電脳刑事物の近未来サスペンス──『ロックイン-統合捜査-』

ロックイン-統合捜査- (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)作者: ジョンスコルジー,内田昌之出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2016/02/09メディア: 単行本この商品を含むブログ (5件) を見る『レッドスーツ』や『アンドロイドの夢の羊』、《老人と宇宙》シリーズで…

音楽は、いったいどこまでいけるのだろうか?──『アメリカ最後の実験』

アメリカ最後の実験作者: 宮内悠介出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2016/01/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る『アメリカ最後の実験』というオドロオドロしい書名だけみると「核実験か何かだろうか?」と思ってしまうが、中身は疾走感の…

監視国家を刑事が駆ける近未来サスペンス──『ドローンランド』

ドローンランド作者: トムヒレンブラント,Tom Hillenbrand,赤坂桃子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2016/01/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見るいやーこれは面白かった。監視社会物といっても、現代ではその社会情勢も反映してか多…

幻でありながらも物語を支配し続ける──『幻の女〔新訳版〕』

幻の女〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ウイリアムアイリッシュ,William Irish,黒原敏行出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/12/18メディア: 文庫この商品を含むブログを見る『ミステリ・ハンドブック』第一位、『東西ミステリーベスト100』で…

トラブルでいっぱいの世界──『世界の終わりの七日間』

世界の終わりの七日間 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)作者: ベン H ウィンタース,Ben H. Winters,上野元美出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/12/08メディア: 新書この商品を含むブログ (2件) を見る書名の通り(原題は『world of trouble』)一週間後に…

サイコパス大戦──『レッド・ドラゴン』

レッド・ドラゴン〔新訳版〕 上 (ハヤカワ文庫NV)作者: トマスハリス,Thomas Harris,加賀山卓朗出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/11/06メディア: 新書この商品を含むブログを見るレッド・ドラゴン〔新訳版〕 下 (ハヤカワ文庫NV)作者: トマスハリス,Th…

黄色い部屋の秘密 by ガストン・ルルー

黄色い部屋の秘密〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ガストン・ルルー,高野優,竹若理衣出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/10/22メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見る今やカレーといえば福神漬ぐらいのレベルでミステリといえば密室…